出会い-2
『おはよ〜、あおい』
『なっちゃん、おはよ〜。だるいねぇ。』
『うん、マジだるい。でもさ、アンタはいつも専攻の点数良いんだから、余裕じゃん。』
『いや、余裕ないよ?明日からバイトする事になったし。何だかんだ公務員試験なんて、嫌いな科目ばっかりで…目の前のテストは良くても、喉元過ぎれば何たらよ。』
『あおい、なんか使い方おかしいよ?』
『ヤバい?』
『うん、結構ヤバいかも。私でも何となく違うのは分かるよ?でもさー、何なの?あのテストだったら、点数取れますみたいな奇跡の連続。羨ましいんだけどぉ。』
『歴史と英語は通用しないから、壊滅的だけどねw数学と化学だけで良いよ、あ、物理もあっても良いかな?』
『(バカなの?)そ、そっかー。それより、バイトって何なの?どうしたの?』
仲の良いなっちゃんでも、ウチの家が大変な事は言ってない。
『親に携帯買ってって頼んだら、バイトで稼いで自分で買えって言われたー。たまたま身内に人手が欲しい人がいてさ、試験期間中だけ、バイトする事にしたんだ。』
あながち間違ってはいない。
『おお!ついにあおいもスマホデビューするんだ!嬉しいなぁ…LIMEできるじゃん!だってさー、今時まだ持たせてもらってないとか…どんだけ厳しいのよ。あおい、普段ちょっとおバカだけど良い子だから、変な事にはならないって分からないのかなぁ…ってか、自分で買えって。どんだけ、持たせる気ないのさ、あおいの親は。』
『…ねぇ、褒めてるの?貶してるの?』
『もちろん、褒めてるよー!あったり前じゃん!』
『…もー、そうやってまた丸め込んだいたら良いって思ってんでしょ?』
『ん?何の話?(しらばっくれとこ)』
『まぁ、良いや。だから、明日からは先に帰るね。』
『ほーい』
家に帰ると、母から明日から1週間2時から6時まで働く事と学校には事情は説明して了承して貰った事を例のごとくマシンガンで言われ、夕飯置いてるから行ってくると仕事に出かけてしまった。
土日はどうするんだろう?明日聞けばいっか。
ハンバーグを頬張りながら、横たわってイビキをかく父を見つめていた。