酸っぱいイチゴ (3)-3
そのとき、私より先にZが動いた――。
テーブルの飲み物でも口にするのかと思うほど自然でさりげない動き。
しかし彼がしたことはズボンを脱ぎパンツを下ろすことだった。
準備の速さと滑稽な動作に思わず吹き出してしまう私とゆき。
しかしZは私たちの笑いにはいっさい反応せず、ゆきの丸い尻を掴むと後ろからペニスを静かに挿し込んだ。
本当に静かに、にゅるんと、Zの亀頭は妻の黒い茂みの奥に飲み込まれていった。
「あぁ……っ!……えっ?!」
ワンテンポ遅れて悲鳴と喘ぎ声の中間のような声を発するゆき。
「ん……んん……なに?……え……パパ……あれ?入れられちゃった……あぁんっ……どうしよう……!」
入れられちゃった――。
なんとも間抜けで正確極まりないゆきの報告が、私の興奮を呼び覚ます。
妻が「入れられ」てしまった――。
私とゆきが状況を把握したときにはすでに、妻の大きな尻にZの腰が完全に密着していた。
つまり、ゆきの女性器の一番奥までZの男性器が挿入されている。
「ぁあぁ……なんで……ちょっと……!」
Zが腰をぐりぐりこねまわす。
「ぁあぁああ!!……だめええ……っ!」
今まさにゆきの子宮口には、Zの亀頭がぴったりと押し付けられているのだろう。
私が一度も到達したことのない場所で、妻とZの性器が密着して刺激し合っている。
「だめ」と言いたいのは夫である私のほうだ。
許容し難い妻の裏切り行為。
二人の結合部分からはニチャニチャ……ネチョネチョ……といういやらしい音が聞こえてきた。
「……ぁ……あ……ああ……ぁあん……」
なんとか私にすがりついてZから逃れようとするゆき。
私はバランスを失ってソファにあおむけに倒され、下からゆきを抱える形になった。
完全に四つん這いになったゆきの後ろから、Zがピストン運動を開始した。
「……ぁああ……あ……ああ……あ……ああぁあああぁああああ……!」
私の真上でZに犯される妻。
「ゆき……すごい……」
「ぁああ……あああ……だめだめだめみないでぇえええ……ああああ……ああああ……!」
Zが腰を打ち付けると、パンパンパンパンとすごい音を発してゆきの尻が波打つ。
どんなに美しく清楚な女性でも、いざセックスとなればこんな恥ずかしい音をさせてしまう。
屈辱的な格好ではしたない音や声を発して男を喜ばすことは、女が果たすべき性奉仕の一部である。
とくにゆきのように容姿とスタイルに恵まれた女は、男の性欲を刺激するので、より激しくより徹底的に犯されてしまう。
男からちやほやされさまざまな人生の優遇を受ける代償として支払う、過酷で哀しい運命。
「ぁあああだめだめまたいっちゃうまたいっちゃう見ないで……だめなの見ないで……!!」
もう夫は助けてくれないと観念したのか、さっきまですがりついていた私から逃げようとする妻。
「ゆき、すごく可愛いよ。大丈夫そのまま俺にイクところ見せて!」
私もゆきを抱きしめて離さない。
「ああぁああ……ぁああだめなの見ないで見ないでいっちゃうのいくいくいっちゃうの……あああ……ぁあ……ああああぁあああああ!!!」
びくんびくんという身体全体の痙攣がダイレクトに伝わってくる。
ゆきが、私の妻が、Zのペニスでイカされてしまった。
「はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……はぁ……」
またもあっという間に絶頂に達してしまったゆき。
目を真っ赤に腫らして背中で息をしている。
「ゆきごめん、もう見ないつもりだったのにゆきが可愛すぎて……」
もういちど妻をぎゅっと抱きしめる。四つん這いの下半身にZのペニスを挿し込んだままのゆきにキスをする。
「ん……んん……チュウ……もう……パパのバカ……見ないでって言ったのにいいいいぁぁああ……あ、ああ……ああああぁあああぁ……ああああ!!!」
私とゆきの会話など意に介さず、ふたたびピストン運動を再開するZ。
私とキスしていたゆきの顔がみるみるだらしなく崩れていく――。
もう歯止めが効かなくなった。
はじめは逃れようとしていたゆきも次第に快楽に身を任せるようになっていった。
それでも唇を噛み締め喘ぎ声を少しでも抑えようとしているのがいじらしい。
Zのペニスによって繰り返し絶頂に導かれる妻。
私は妻を抱きしめキスをし、ときに手を握りながら励まし見守った。
妻の汗が飛び散り私の顔にかかる。
唾液が糸をひいて垂れるのも構わず、私はZとセックスしているゆきに舌を絡めキスをした――。