文香-15
「それじゃ金髪は?」
「それでもいい」
「じゃそれにする」
「そしたら眉毛も剃るんだぞ。それで薄茶色の奴で眉を描くんだ。そうで無いとおかしいからな」
「うん。あそこも?」
「あそこって?」
「あっ、剃っちゃったんだ」
「そうさ、もう忘れたのか。スースーしないのか?」
「別に何とも感じない」
「もうTバックとノーブラにも慣れただろ」
「うん。慣れた。もともと下着はTバックに慣れてたし」
「何? 前から持ってたのか?」
「ううん、持ってないけどお尻が大きいから小さい奴穿くと真ん中に寄ってきてTバックになっちゃうの」
「そうか、そうだろな。ノーブラも慣れたか?」
「うん。楽でいい」
「重くて肩が凝るとか言うけど大丈夫か?」
「竜ちゃん優しいね。肩こりはもう昔からだから慣れてる」
「伸びる生地のピッタリした服ならブラジャーなんか要らないだろ」
「うん、あっ、はい。もう乳首が出ててもそれが普通になっちゃったから余り気にならない」
「そうだ。乳首は出てる方がいいんだ。その方が厭らしく見えて好きだ」
「竜ちゃん慣れてるね。経験があるの?」
「実際に縛るのは初めてだけど縛った写真は沢山見てるから」
「こういうの好きなんだ?」
「そう」
「どうして?」
「好きだから好きなんだ」
「良く分かんない」
「ちょっと足開け」
「こう?」
「あっ、その前にお前おしっこして来い」
「さっきしたばっかりだから出ない」
「本当か? まあロープなんか濡れたっていいけどな。それじゃぐっと絞るから食い込むぞ」
「ウグッ、感じる」
「俺も感じる。あちこちお肉が絞り出されてていい眺めだ。こういうのが好きなんだから、やっぱり俺って変態なのかな」
「変態でもいいよ」
「ああ。悪いって言っても治らないしな」
「これでどうするの?」
「あの忍者みたいな服着て2人で食事にでも行くか」
「今日は母さんに沢山金貰ってきたから」
「何で?」
「知らない。くれって言わないのにくれたんだ」
「沢山っていくら?」
「30万」
「30万? お前んちの母さんて何してんの?」
「何もしてない」
「それじゃ父さんは?」
「会社の社長」
「ちょっと金銭感覚が狂ってんだな。30万小遣いくれる親なんかいないぞ」
「そう?」
「そうさ。親は有り難いもんだ」
「でも、くれって言わないのにこんなにくれたのは初めて」
「そうか。まああんまり無駄遣いすんなよ。お前が綺麗になることの為だけに使え。美容院とか服とか化粧品とか、そんなのに」
「竜ちゃんは要らないの?」
「何が?」
「お金」
「それはお前の金だから」
「だから上げる」
「馬鹿。お前の金なんか要らないよ」
「どうして? 誰の金だってお金はお金だよ」
「そんなこと分かってる。俺は汗かいて働いて金稼いでんだから、お前なんかと違って金の有り難みが分かってんだ」
「それなら半分上げようか?」
「まあ、お前が持ってろ。お前の為に必要だと思った物があったら、その金で買うから」
「うん」