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狂少女
【犯罪 推理小説】

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名はLOUD -3

その時、捜査本部にまた電話がかかってきた。

『もしもし!』

「LOUDです、忙しいところスイマセン」

『今度は何だ!?』

石黒は電話の応対を変わった。

『LOUD、あなたの言っていたもう1人の犯人って顔に大きな十文字の傷を持った少女の事?』

「素晴らしい!全くその通りです、がしかし、あなた達ではあの子にかすり傷1つ付ける事も出来なければ、確保も難しいでしょう」

『あなたは知ってるのね?あの子の居場所を?』

「ええ、でも教えません、何せ同業者ですからハハ」

『LOUD、あなたの目的は何なの!?』

「ゲームですよ、あなた達は私とあの子には絶対に勝つ事は不可能です、ですから私かあの子のどっちかを味方にしなければ勝てないということです・・・どうします?」

捜査本部は静まりかえった。
LOUDの提示した究極の選択・・・

「ハハ、すぐには返答は難しそうですから3日後のこの時間に電話します、それではお身体に気をつけて・・・」

『先輩・・・何なんですか!?アイツは!?』

『悔しいけどアイツの言う通りよ・・・私は、あの子を3日以内に探し出す!』

“この子は何故、監視カメラに向かって笑みを見せたの?”

石黒は寺井と共に木花の捜索へ向かおうとした時、寺井が本部の扉を開けた瞬間・・・

『ウ・・・ウソ・・・』

本部の外には腕や足を押さえもがいている数十人の捜査員とヌイグルミを抱き顔に大きな十文字の傷を持った少女が立っていた。
捜査本部は慌ただしくなった・・・

『と・・・取り抑えろ‼』

すると石黒は・・・

『落ち着いて!待ってください‼』

石黒はゆっくり木花に近づき・・・

『あなた・・・お名前は?私は石黒静香よ』

『・・・アタイ・・・木花』

捜査本部は落ち着きを取り戻し、石黒は木花を椅子に座らせた。

『寺井、木花ちゃんにジュースを・・・』

『・・・はい』

『ねぇ木花ちゃん、LOUDって名乗る男なんだけど・・・』

『知ってるよ、5年前アタイのお父ちゃんを殺したヤツ、元CIA特殊工作員でお父ちゃんが研究していた死体蘇生の技術を使って何かを企んでたらしいんだけど、断り続けたお父ちゃんはヤツにバラバラにされて殺されたの、アタイの目の前で、LOUDって名前は当時使ってたコードネームだよ』

『お父さんの名前は?』

『木乃舞武志』

鑑識課の武井はパソコンに向かい木乃舞武志の事を調べだした。

『静香、確かこの事件は迷宮入りとなって未解決のままだ・・・』

『失踪じゃなかったの!?』

『違うよ石黒さん、お父ちゃんはバラバラにされた後ドラム缶に入れられ硫酸をかけられたの、そしてヤツはアタイの顔に十文字の傷をつけて去っていった』

木花は石黒に傷跡を見せ指でなぞり笑みを浮かべた。




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