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満里子
【フェチ/マニア 官能小説】

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満里子-1

 「優ちゃん、愛してる?」
 「勿論」
 「何で愛してるの?」
 「何で? 何でって?」
 「私の何処が好き?」
 「全部」
 「美人だから?」
 「勿論それもある」
 「他には?」
 「だから全部」
 「胸が大きいからでしょう?」
 「ああ、それは勿論とても魅力的だと思う」
 「優ちゃん巨乳が好きだもんね」
 「ああ」
 「脚は?」
 「脚が何?」
 「私の脚、太股の所少し太くない?」
 「それがいい。長くて太い足が好きなんだ。短いのは格好悪いし、長くて細いと病的な感じがして良くない」
 「本当?」
 「ああ本当さ」
 「奥さんは?」
 「何が?」
 「どんな体? 美人?」
 「普通」
 「普通って?」
 「だから美人でもブスでもない」
 「私の方が魅力的?」
 「比較にならない」
 「私の方が好き?」
 「比較にならない」
 「奥さんより私のこと愛してる?」
 「ああ。だから比較にならない」
 「今セックスしたばかりだから、そんなこと言うんでしょう。うちに帰ると私のことなんか忘れてしまう癖に」
 「まさか」
 「本当?」
 「本当さ」
 「奥さんと別れて私と一緒になってくれるの?」
 「ああ」
 「ああって?」
 「ああ、そうするよってこと」
 「本当?」
 「本当」
 「いつ?」
 「出来る限り早く」
 「本当に本当?」
 「本当に本当」
 「それじゃ今日仕事が終わったらうちに帰らないで真っ直ぐ此処へ来て」
 「いいよ。いつもそうしてるじゃないか」
 「優ちゃんの好きそうな服着てお洒落して待ってるから」
 「どの服?」
 「帰った時のお楽しみだから言わない」
 「そうか。それじゃ期待して帰るから」
 「仕事が終わったら直ぐに帰って来てよ」
 「ああ分かった」

 優輝は33歳の弁護士である。満里子は銀座のクラブのホステスだが、会社勤めしたりホステスしたりと腰が定まらなくて、いわゆるプロのホステスではない。外人のように彫りの深い顔立ちの美人であり、体つきも全体に大きくて凸凹が極端である。言ってみればアメリカのピンナップ女優のような女である。髪も赤く染めているし、黙っていれば誰も日本人だとは思わない。しかしれっきとした日本人で九州の生まれである。
 装うことが満里子の唯一の趣味だから、顔も体も派手なのに、いや、それだからこそなのだろうか、化粧は濃いし、やたらに目立つ派手な服を好む。独特の美的センスを持ち、お洒落に関して人と一緒というのが我慢ならないようで、とにかく人とは違うものを目指すから満里子が外を歩いているとその周りだけが別の宇宙空間を形成しているかのように見える。


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