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満里子
【フェチ/マニア 官能小説】

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満里子-15

 「離婚の話は進んでいるの? いつになったら離婚出来るの?」
 「彼女と話しなんかしていないんだから進んでいないさ」
 「それじゃ話をしてよ」
 「したって無駄さ」
 「どうしてよ」
 「だから前に電話して来た時に死ぬまで離婚はしませんって言ってた」
 「気が変わってるかも知れないじゃない」
 「それじゃ今度行って話して来る」
 「え? いつ?」
 「住民票をそろそろ移動しないと僕も心配だから、一度向こうの役所に行かなくてはいけないんだ。その時にうちに寄って話してみる。僕のスペアの眼鏡とか、CDなんかも持って来たいし」
 「駄目」
 「何で? 話をして来なさいと言ったんじゃないのか?」
 「離婚の話はいいけど、何も持って来ないで」
 「どうして?」
 「いいから」
 「妙なことを言うなあ。もともと僕の物を持ってくるというだけだよ」
 「そんな物全部捨てなさい。眼鏡だってCDだっていくらでも買えるじゃないの」
 「それは買えるだろうけど」
 「それに行く時は前もって知らせて頂戴」
 「だから今知らせているじゃないか」
 「いつ行くの?」
 「仕事の暇が出来たら」
 「だからそれはいつ?」
 「そんなの分からない。来る筈のお客さんが急にキャンセルしてきたとか、そういう突発的なことで暇が出来るんだから」
 「そんなの駄目よ。予め予定を組んで行けばいいじゃないの」
 「それは勿論そうしてもいいけど」
 「それじゃそうして」
 「だけどどうして?」
 「準備するから」
 「何を?」
 「優ちゃんの着ていく物を」
 「そんなの何だっていいよ。着ている物を見せに行く訳じゃない」
 「駄目なの。いいから任せなさい」
 「お洒落させようと言うの?」
 「お洒落?」
 「一種の果たし合いみたいなもんだから、こざっぱりした服装に身を固めるのが男の嗜みだなんて感じで」
 「そうそう。そういうこと」

 予定していた日が来ると優輝は満里子に言われた通り着替えるために一旦家に戻った。一体何を着せようと言うのか知らないが、女の考えることは分からないなと思った。しかしそんなことはどうでもいい。

 「ズボン脱いで」
 「うん」
 「そこに寝て」
 「何で? セックスなんてしてる暇は無いよ。そんなこと帰ってからゆっくりやればいいじゃないか」
 「何考えてるの。セックスするんじゃないわ」
 「そうか。満里子のことだから要らぬ心配して出すもの出しておいて空にしてやろうなんて考えてるのかと思った」
 「そうか。それも必要かも知れないわね」
 「必要ない。そんな心配は無用だ。半年ぶりに会っていきなりセックスなんかするものか」
 「そしたらこの次会う時はセックスするの?」
 「まさか」
 「いいから寝て」
 「何をするんだ?」
 「早く」
 「おい、何するんだよ」
 「毛を剃るのよ」
 「馬鹿な」
 「馬鹿じゃないわ。こうしておけば恥ずかしくて裸になれないでしょう?」
 「満里子の下着を穿いてるじゃないか」
 「それだけじゃ足りない」
 「呆れた。時間が無いんだから」
 「だから渋ってると余計時間がなくなるわよ」
 「分かった。したいようにしてくれ」
 「トイレに行ってきて」
 「何で?」
 「おしっこして来て」
 「別に貯まってない」
 「いいから早くおしっこして来なさい」


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