ハツミ 〜3rd story〜-4
ふと、トモキの口元が微笑んだかと思うと、トモキは抱擁を解き、私の両足を割り開いた。
そしてゆっくりと彼自身が私の中を押し開く。
私は彼を導く為に彼の背中へと腕を回し、彼自身を私の中へと迎え入れる。
脈打ちながら侵入してくるトモキ自身は、彼の体のどの部分よりも熱かった。
私の淫花はその熱を強く感じとっている。
『あんっ、んっあっ。』
トモキから伝わる熱と快感に、私はたまらず声を漏らす。
トモキは私を気遣う様にゆっくりと腰を進めた。
これ以上ないというほど潤いに満ちた私の淫花は、彼自身を全て包み込んだ事を知ると快感を求めるかのように収縮し始める。
それに刺激されたトモキは私の唇についばむ様なキスをすると、更なる刺激を求めて私を突き上げる。
しかし彼の動作からは、ただ己の快楽を求めるだけではなく、私にも至上の快楽を与えようとしている事が伝わる。
「俺、欲張りなんだ。自分だけが気持いいんじゃ飽きたらない。ハツミにもたくさん感じて欲しい。」
私はトモキが耳元で囁いた言葉を、今にも意識が途切れてしまいそうな程の快感の中で聞いた。
そして私は彼の腕に抱かれ、その腕の中で何度も絶頂感を味わった。
「…ハツミ……。」
深いまどろみに誘われそうになっていた私に、トモキが言った。
彼に抱かれた後、私はいつの間にかベッドでまどろんでいたようだった。
「大丈夫??」
未だに朦朧とした意識の中を漂っている私に、更にトモキが問掛ける。
『大丈夫よ。』
私が答えると彼は私を起き上がらせ、バスルームにあったバスローブを羽尾らせる。
トモキは私がまどろんでいる間に衣服を身に着けていたようだ。
「キッチン借りるね。」
そう言ったトモキは私に笑顔を向けキッチンへと歩いて行った。
私は少し乱れた髪に櫛を通し、トモキを追ってキッチンへと向かった。
「あ、ベッドにいてくれていいのに。」
私の姿をダイニングにみとめたトモキがコーヒーメーカーのフィルタをセットしながら言った。
『もう大丈夫よ。コーヒーありがと。』
私は食器棚からカップを出すとトモキに答えた。
「また無理させちゃった?」
少し沈んだ表情でそう聞くトモキ。
『そんな事ないわ。気にしないで?』
トモキははにかんだ様な表情で私に頷く。私はそんな少年様な彼の仕草に心を擽られた。
この気持ちは母性本能の仕業とでも言えばいいのだろうか。自分でも何故だか解らないのに、彼の仕草や表情をかわいいと感じずにはいられない。
彼はこれからどんな男性になるのだろう。今でも彼の行動に時たま現れる、少し大人びた一面を考えれば、きっと素敵な大人の男性になるだろう。
彼のこれからを、私が隣で共に過ごし、彼の成長を間近に感じる事が出来たなら…。