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亜美
【SM 官能小説】

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亜美-33

 「感じちゃって・・・早すぎて済みません」
 「いいえ。私も一緒に行ったのよ」
 「そうですか」
 「私も感じた」
 「でもこの前みたいに失神したりはしなかったですね」
 「あれ? あれはセックスとは違うもの」
 「セックスよりもやっぱりああいう方が感じるんですか?」
 「あれはセックスとは違うの。どっちが感じるなんて比べられないの」
 「そうですか? そういうもんなんですか?」
 「そう。ああいうのは失神する程感じてもセックスで感じる時のような満足感は無いの」
 「そういうものですか?」
 「そう」
 「田原さんに知られると困りますね」
 「何が?」
 「だからこんなことが」
 「別に知られても構わないのよ」
 「するとこれは、あの人も了解済みのプレイということなんですか?」
 「いいえ。あの人とは関係の無いこと」
 「はあ、そうですか」
 「あの人は私の夫でも恋人でも無いの」
 「え? あの人の話では貴方は恋人だということでしたけど」
 「彼はそう思っているでしょうね」
 「ええ。貴方は彼に惚れきって入れ墨までして愛を誓ってくれたようなことを言ってました」
 「あの人の言いそうなことだわ。年に似合わずお坊っちゃんだから」
 「違うんですか?」
 「何が?」
 「だから貴方が彼に惚れきって入れ墨したという話ですけど」
 「私の入れ墨は見たでしょう?」
 「ええ」
 「彼の名前なんか入っていた?」
 「はあ、そう言えば隷女亜美というだけでした」
 「そうでしょ? 別にあの人の為に入れた訳じゃないのよ」
 「そうなんですか? でも隷女というのは・・・」
 「それは大した意味は無いの。敢えて言えば自分の性的欲望に正直でありたい。自分の欲望の奴隷であるという意味になるかな」
 「はあー。そういう意味ですか」
 「驚いているのね」
 「はあ、驚きました」
 「そんなことで入れ墨なんかするのかなって思っているんでしょ?」
 「ええ」
 「単なる気まぐれで入れ墨したのよ。そんなに大袈裟なことではないの」
 「はー」
 「こういうの入れると男の人が喜んでくれるでしょ?」
 「まあそうでしょうね」
 「中田さんも喜んでくれた?」
 「は? 別に僕の為にしてくれた訳じゃないから」
 「中田さんの為にしたのよ」
 「まだ会ってもいない僕の為にですか?」
 「その時は会っていなくても結局こうして会えたじゃないの」
 「はあ」
 「私が今に好きになる男の人の為に入れたのよ。その人の奴隷になってもいいというつもりで」
 「今大した意味は無い。単なる気まぐれで入れたんだと言ったんじゃなかったですか?」
 「その時はそう思ったけど、後になって分かったの。やっぱり今に好きになる男の人が見つかる。その人の為にしたんだって」
 「それが僕なんですか?」
 「そう」
 「何で僕なんですか?」
 「可愛いから」
 「僕がですか?」
 「そう」


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