亜美-10
「中田君、じっと見ているばかりで全然写真を撮ってないわね」
「あっ、忘れてました」
「しっかりしてよ。今年入った新入社員だもんですから、女性の体がまだ珍しいらしくて、済みません」
「ほう、そうですか。それはいい。女の体なんか見飽きたという見物人は駄目なんですよ。食い入るように見つめる見物人のほうが羞恥心を煽られていいらしい」
「良かったね、中田君。食い入るように見つめてやりなさい」
「はあ」
「ああ、大分潤って来たようですな。何処でも遠慮なく触って結構ですから好きにしてやって下さい」
「はあ」
「ほら、先生がああ仰って下さってるんだから、触ってごらん」
「はあ」
「怖がらなくていいのよ」
「はあ」
「どうしたの?」
「マンコでもケツの穴でも好きにしていいですよ。指を入れてもいいし、ガバッと食いついて舐めてもいいし。アッハッハッハー」
「はあ」
「ほら、ちょっと何かしてごらん」
「はい、それじゃ」
誠司は女性経験はあったが、こんなにまじまじと明るい所で間近に性器を見たことは無いので、クリトリスがさっきから珍しくて興味を惹かれていた。1番感じるクリトリスというのはこんな所にこんな形をして収まっているものなのかという思いで見ていたのである。それで、促されて触るという段になると自然に其処へ手が伸びてしまった。クリトリスをそっと指で触ると眠ったように静かにしていた奥さんの口から「キャアー」という嬌声が出て、同時に性器の奥からドッという感じで液体が流れ出してきた。それは正に水道の蛇口を開けたようにチョロチョロと流れ出して床にポタポタと垂れたのである。驚いて誠司は思わず手を引っ込めるどころか、全身で飛びのいてしまった。
「中田君、ほらっ」
「え?」
「えじゃない。垂れてる、垂れてる。早くほら、口で受け止める。ほら早く」
「は」
思わず誠司は礼子に調子良く乗せられ、舌を伸ばして垂れてくる液体を受け止めた。特に味のあるものでは無かったが、凄い物を舐めているのだという意識が舌から脳細胞に電流のように走り抜けた。全身が硬直し、知らない内に誠司の性器は固く直立していた。性器が立ったことはズボンで隠れていたが、誠司の驚いた様子に礼子と縄師が大声を上げて笑った。奥さんはそれを自分が笑い物にされたのと誤解して被虐意識に火が点いたのか、チョロチョロ垂れていた液体にドロッとしたものが混じり始めた。床にはまるでおしっこをしたように小さな水たまりが出来ていた。
「中田さんと仰るんですか? 女性経験はおありですか?」
「はあ、あります」
「そうですか。それならご存じかも知らんが、これはまだ本当に感じてる時の濡れ方とは違うんですよ。本当に感じてる時はもっと白くてドロッとしたものを出す。あっ、少し出ているな。これこれ、この白い奴ですよ」
「はあ、そうですか」
「これが出始めたら失神するのも時間の問題なんですわ。女って凄いもんですな。何処も刺激していないのにこうやって縛られて股間を見つめられているというだけで失神までしてしまうんですよ」
「先生、いろいろと有り難うございました。失神するまでお付き合いしたいんですが、次の予定が迫っておりますので、この辺で失礼させて頂きます」
「はあ、そうですか。記事になりましたら雑誌をお送り頂けますか?」
「はい。写真と一緒にお届けに上がります」
3人はロープの安楽椅子に座って空中に浮かんだ奥さんを置き去りにして玄関に向かった。