to Heart〜LOVE SICK〜-5
「別に嫉妬じゃないけどさ。」
「北村は一番そーゆーの嫌いだもんな。だいたいよく考えてみろ。俺たちに彼女が出来て、彼女が会いたいってゆーからってドタキャンしてみろ?すげーやだろ?それと同じだよ。」
たしかに………。
わかっちゃいるけど……。
理性がきかないくらい好きなんだ。
千優希はそうじゃないんだろうか?
今までは言えなかったこと、できなかったことができるようになって、どんどんブレーキが効かなくなる。
子供みたいだな、俺。
PM6:00――――
「もしもし。千優希?俺。今仕事終わった。」電話を片手に会社を飛び出す。
『お疲れ〜。ごはんもうすぐ出来るよ♪』
「なんか飲み物買ってくわ。」
『わかった☆待ってるね。』
こんな些細な会話すら、嬉しくてしかたがない。
飲み物とデザートを買って、千優希のアパートへ急ぐ。
いざ呼び鈴を押すとなると緊張してくる…。
夕べは起きたらすでに中だったしな。
ピンポーン♪
「はーい♪」
中から千優希の声が聞こえる。
「おかえり。お疲れ様。」
扉が開いた瞬間、千優希を抱きしめてる俺がいた。
「っちょっ…ちょっとケンボー!?」
ヤバイ、俺病気だ……。
親友でいた時は、あんなに自分を抑えてたのに。
この手を離したくない。
「も〜…。ご飯食べよ、ケンボー。」
半分呆れた千優希の声が耳元で聞こえる。
離れる代わりにキスをいただいて席につく。
千優希の顔が真っ赤になってる。
「ケンボー、変わり過ぎっ。」
上目使いに千優希が訴える。
お前がかわいすぎっ!
初めて出会った10年前から、千優希は毎日違う顔を見せてくれる。
きっとこれからも、こうやって俺を夢中にさせていくんだろう。
こんな病気なら、一生罹っていたい―――
ずっとずっと―――お前のそばにいれるように。