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嘘つきな I LOVE YOU
【理想の恋愛 恋愛小説】

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to Heart〜LOVE SICK〜-4

「…えへへ。」
千優希が少し俯き加減で、恥ずかしそうに笑った。

「どした?」

千優希の顔を覗き込む。

「……手、つなぐの初めてだね。」

千優希が恥ずかしそうに笑いながら、ぎゅっと手を握りかえした。


あぁ……、そうだ。


あんなに一緒にいたのに、手をつなぐなんてことはなかった。

ふざけて握手したり、手を触ったりなんてのはあったけど。


手をつなぐことは、できなかった……。


こんな些細な意思表示すら、押さえ続けてきたなんて。
手だけじゃない……いろんなことを押さえ続けてきた。ずっと―――――。


メールや電話も必要事項。どんなに会いたくても、天邪鬼な返事をするのが板についちまった。
そっけない返事をして、気持ちに気付かれないよーに、必死で隠し通してきた。
前に安部ちゃんに、「どーしてお前は腹を割って話せねーんだ!?」って怒られたりもしたっけな。

ホントの俺をお前は好きでいてくれるだろうか?
お前が離れていくのが恐くて、ホントの気持ちを言えずにいた弱虫な俺を――。

「明日はどっか行くか。」

気持ちが通じ合ってから、初めて迎える日曜日!あさってからロスだから、しっかり充電しとかないと…。

「ダメだよ?明日は亜由美とデートだから。」
千優希がさらっと言い放つ。
「亜由美と新しく出来たカフェに行く約束してるからね。」

千優希が嬉しそうにそう続けた。


「……それって別な日に変えてもらったりとか出来ない?」

ダメもとで聞いてみたりするが……。

「何言ってんの!亜由美との約束が先なんだからムリに決まってるでしょ!それに彼氏が出来たからって友達との約束キャンセルしたりするよーな人間は、私、大っ嫌い!」

…………だろうな。
言うと思った。お前が一番嫌いな行為だ……。

わかっちゃいるけど。
片瀬に負けたような気がして無性に片瀬に腹が立つ…。


俺ってちっちぇ……。


「あはははは!片瀬に負けていじけてんのか!?やっとくっついたと思えば今度は片瀬に嫉妬か〜。」

お昼に安部ちゃんが電話をくれたが、俺の悩みは笑って一蹴された…。


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