衝突-2
僕はスマホを取り出し、電話をかけた。
「…ええ、そうです。意識がありません。救急車をお願いします。…はい。はい。」
続いて110番通報しようとした僕の手を、友里が掴んだ。
「逃げて。」
「え?」
「私が黙っていれば、誰がやったのか分かりません!先輩に迷惑かけたくないから…。」
一瞬、見つめ合った。
「行こう。」
「え…。」
友里の口元に微かな笑みが浮かんだ。
「おいで、友里。」
「はい!」
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