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貧困娼年の混濁
【ショタ 官能小説】

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貧困娼年の混濁-3



(×××年×月×日)
お茶碗に白濁した不思議な物。お米の味がする。
それからただのスープみたいだけど、堪らなく美味しい物。
もうボクはオチンチンに入れられた「かてーてる」から解放されて(抜くときに電流が走ってボクは逝きそうになった)、ちゃんと歩いてトイレに行ける。
ボクは「ICU」という機械の部屋から「小児病棟」という所に移された。
もう、五月蠅くって。子供って嫌いだ。

(×××年×月×日)
ご飯がだんだんお米のかたちに変わる。
おかずも信じられないほど美味しい。「でざーと」という甘くて不思議な物を食べた。
ボクよりいくつか下の女の子が「プリン」という不思議な食べ物。
最高に美味しい。

(×××年×月×日)
「精神科」のお医者さんに変なパズルとか数字の計算とか、紙を二つ折りにした変な模様を見せられて感想を言わされたり。
ボクはパズルみたいな木片をすぐに組み立てて、計算は紙が足りなくなったので裏にまで書いた。
精神科のお医者さんはなんだか呆然としていた。

(×××年×月×日)

今日、おっかないオジサンがやって来た。
そしてボクは面会室に連れて行かれ、ボクが答えられない質問を山ほど。
ボクのお腹が煮えくりかえったのは、ママの悪口を言うことだ。
「育児放棄」とか「児童虐待」とか「親の責任」とか「養育者の義務」とか。



わかった。この人はママが「最低の悪い奴ら」と呼ぶ「ケーサツ」だ。
「ケーサツ」は弱い者イジメが大好きで、権力もある「セーフの犬」で、真面目に働く貧乏人を「セーフの命令」でズルをしてお金や家を取り上げる悪魔だ。
ママが住処を変えるのも、ボクがこんな目に逢うのも、全部全部「ケーサツ」が追ってくるから。
「ケーサツ」は真面目な人を「ケームショ」という閉ざされた部屋に閉じ込めたり、酷いときには首つりにして殺すという。
子供を「ショーネンイン」や「シセツ」に閉じ込めて豚や鶏のように人間じゃなくして「家畜」として一生を過ごすようにして、二度と空を見ることが出来ない。

そんなのは嫌だ。

ボクは鳥肌が立ち、身体が震えた。



病院からの脱走計画はシンプルで簡単そのもの。



同室の女の子「彩ちゃん」のお見舞いに来た母親に媚びを売り、「真面目な小学生」を演じる。
そして家族同然とは言わないまでも信頼を得たボクは、生まれつきの美貌を最大限に生かして彩ちゃんのお母さんに好印象を与え続けた。

そしてある日、「外まで送ります」といい、談笑しながら受付をスルーし、病院の門まで歩き彩ちゃんの母親を見送った後。

ボクは病院のスリッパとパジャマのまま街に向かって走り出した。

いつの間に春になったのか、並木道は美しい桜が満開だった。

明日もきっと、いい天気。




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