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月と星の下の恋
【純愛 恋愛小説】

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月と星の下の恋-1

雪吉さゆりは21歳で看護学生。今夜も実習勉強に明け暮れていた。ここの所睡眠時間はたったの2時間。そんなさゆりの楽しみは、友達から教えてもらった出会い系サイトで知り合った地本 怜とのメールだった。
さゆりはそんな出会いに興味はなく最初はふざけ半分で登録し、送られてくるメールも友達に見せたりして笑って話していたりした。
だが…怜からの初めてのメールは他の人とは違うオーラ?を感じたのだ。内容も歳相応であり、好感をもてた。
怜は市内にすんでいる34歳の郵便局員。彼もまた、忙しい毎日を送っていた。郵便局の総務から、北海道内の局を指導する役職であるチーフアドバイザーとなり三年後には局長となることが決まっている。日々文書の整理に時間を費やしていた。出会い系に登録したのはさゆりと似たようなもので、同僚に勧められた。バカみたいに酔った勢いで登録もし、次の日には忘れていたほどだった。送られてくるメールを見たとき、間違ってサイトに繋いでしまった。新着欄の一番上にあったさゆりのコメントに目を奪われた。自分と同じ空の写真が好きだという所に…。歳の差は見向きもせずにメールをした。
二人はメールを始めて2ヶ月たつがまだ一度もお互いの顔をしらない。
そして今夜もまたメールが始まる…

『今晩は、さゆりはまたレポート中かな?』
さゆり
『こんばんは☆そうなんです;もう分からないからやめちゃおうと思ってましたf^_^;怜さんはなにしてるんですか?』

『局の文書つくってるよ。来月の1日付けでチーフになるからね』
さゆり
『わ〜☆そうでしたね☆おめでとうございます!』

『ありがとう。嬉しい反面…少し悲しいよ。チーフになったらさゆりに逢うことできないかもだからな。』
さゆり
『あ…そうですよね。道内回るんですもんね。』

そして二人の間に、心の片隅に潜めてあった思いが湧き上がる。

『うん。あ…レポートやめるのかい?もうねるかな?』
さゆり
『レポートはもうやめますよ☆でもまだ眠くないです。』

『俺も…文書の整理やめたよ。』

なかなか思いを言い出せない二人がいた…。所詮出会い系で知り合った仲。メールはしていたとはいえ、世間では批判されている出会いだ。逢ったら、今までの思いが募ってきっと…体を重ねることになる。
恐れ。これでよいのか。罪悪感。
そんな思いが二人の心によぎる。だが、怜はその感情を無視することにした

『続けてメールごめん。今からさゆりに逢いたい。無理だったら大丈夫だから…そして何もしないから…っていうのも変だな。うん…とにかく…顔見て話がしたいんだ。』
さゆりは自分も同じ気持ちであることを伝えるのが恥ずかしく、
『いいですよ☆じゃ、逢いましょうか☆』
とさらっとした返事を返した
怜は案外すんなり逢うことになったことで、心臓の鼓動が速まっていくのを感じた。

待ち合わせは15分後にコンビニで…。

先についた怜が車内で足を揺すりそわそわしている。口から心臓が飛び出るとはこれのことかと感じた。
さゆりもいつもより可愛い服装で家を出て、コンビニに向かって歩いていた。気がつくといつもより早歩き。先についたら張り切ってるみたいで恥ずかしい…と速度を落とした。
コンビニに着いたとき、ワインレッドの外車が目に飛び込んできた。中の男性がさゆりを見ている。そしてメールを打っているようだ。


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