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月と星の下の恋
【純愛 恋愛小説】

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月と星の下の恋-2

メール受信


『赤いゴルフだよ。』
車のことか…?さゆりは思い切って車に近づいた。

窓が開く

『怜…さん?』
怜が微笑む。怜の第一声は
『いや〜どうしよう…こんなんでごめん』
だった。
『あははっ!何いってるんですか〜☆わ〜怜さんだぁ☆』

二人は初めて逢ったのだが、まるで何回も逢っているような感覚にとらわれていた。そして逢う前に思っていた恐れは全く消え去っていた。
『ドライブする?』
怜の問いかけに、はいと返事し、助手席に座ると、この街唯一夜景が見える場所へと向かった。

エンジンを切り、話し始める。メールでは伝えきれない心情が溢れるように言葉となって出てくる。好きな空の話、学校のこと、仕事のこと…そして二人の話が尽きたとき、怜はゆっくりさゆりの肩に手を回し…いいかな…?と聞いた。さゆりはコクリと頷く。誰もいない丘の上、唇を重ねる。さゆりはその大人のキスに息が漏れた。
『んっぁ…』
声に怜は胸がきゅっと締め付けられた。
『さゆり…』
思い切り抱きしめる怜。折れてしまいそうな細い肩。さゆりは突然の出来事に目を丸くさせたが、心地よい胸に身をあずけた。
このまま抱いてしまいたい…怜は思ったが、その感情を押さえることに必死だった。
『怜さん…?』
さゆりの問いかけにはっとした。
『あ、ごめんな。帰ろっか…?』
少し顔を赤らめたさゆりは少し残念そうに
『…そう…だね。』
と呟く。
その気持ちを察知した怜だが、このまま抱いてしまうのが悔しかった。それが目的だなんて思われたくない…。そう思った。
『さゆり?帰ろう。もしさゆりがこれからも俺と逢ってくれるなら…時間作る。だから…さゆりを今…俺のものにすることは…しない。いいか?』
まっすぐ怜の瞳を見つめ、
『…はいっ。』
と、笑顔で答えた。
月と星の下の恋…
出会いは何であろうといい。こうして気持ちが重なっているのだから…


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