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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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Truth's CHOCOLATE-1

橋田 哲希、15歳、ヤキモチ焼きで心の底から恋人を信じる男。

俺は、その日の夜に来たコノからのメールの内容を完璧に無視し、このようなメールを返信した。

『明日の昼休み屋上に来い。聞きたいことがある』

フッ…フハハハ!!絶対の絶対の絶ぇっっ対に奴が誰なのか、コノとどういう関係なのか聞き出してやらぁーっ!!
「らぁぁぁぁぁーっっ!!」
「うっせぇ、クソガキィっ!!」


朝から妙なテンションだった俺は今、屋上で気持ちを落ち着かせるためにいろはうたを暗唱してコノを待っている。
…わかよたれそつねならむ…。
「哲希、来たよ?どうかしたの?」
12回目の『うゐのおくやま』の下りに差し掛かった時、コノがたかたかと走ってきた。
「昨日のメールちゃんと返信してくんないし…アタシ何かした?」
コノは少しイライラしているのか、眉間に皺を作り腕を組んで俺を見上げた。そんな姿に胸キュンしつつも、俺は本題を切り出す。
「お前、俺に言うことあんじゃねえの?」
「言うこと?んー…」
少し考えてからコノは
「家で金魚を飼いだした」
と言った。あぁ、忘れてた。コノはオバカさんだった…。
「お前と昨日一緒に歩いてた奴、誰だ?」
こういうことは率直に聞くにかぎる。
コノはすごく驚いたのか、目を見開いたまま動かない。
「…何で…カズのこと…?」
…カズだぁ〜?
「カズって誰だよ!!お前とどう言う関係だ!?」
俺は声を張り上げた。
「友達…だよ、友達!」
コノはニコッと笑うが、そんな訳無いということぐらいわかってる。
「違うだろ?お前、そいつに騙されてんだよ!!どこの奴だ?俺の女に手出すなんて良い度胸だよなぁ…ブッ倒してやるっ!」
俺は指の骨を鳴らして、シュッシュッと殴る真似をした。
「ちょっと…何言ってんの!?本当に友達だよ?大体、何でそのこと知ってんの?」
俺は胸を張って答える。
「それはなぁ、俺がこの目で見たからだ!!店の中からなっ」
するとコノは、俺を軽蔑したような目付きで見ると3歩ほど後ろに下がった。
「おかしくない?あの辺って女の子に人気の店しかないじゃん。そんな所になんで哲希いんの?…哲希こそ…誰かと一緒いたんじゃないの?」
「俺は姉…!」
そこまで言いかけて俺は口を閉じた。『姉ちゃんに足として使われ、無理矢理店の中に連れていかれたんだ』なんてことは絶対言えない…。
「…何なのっ!?言えないことでもあんのっ!?」
今度はコノが声を張り上げる。
「…よ、用事が合ったんだよ!とにかく誰か教えろよ!!お前を誑かしたんだからなっ!」
俺は任せろと言わんばかりに、コノの肩を叩こうとした。ら!!パッシーンッと俺の手が弾かれた。どうなってんだ!?コノはというとすごい形相で俺を睨んでいる。
「自分のことは棚上げかっ!?自分は言えないけど、アタシには言えってか!?さっきから黙って聞いてりゃ、お前お前って…アタシの名前はコノ子だ!!それにねぇ…昨日はアタシからカズを誘ったのっ!!」

…え?

「変な言い掛かりつけないでよ!カズは何にも悪くないんだからっ…哲希は…哲希は…」
俺を怒りに満ちた顔で睨んでいたのに、だんだんコノの瞳が潤んできた。
「哲希は…アタシの言うこと…信じられないの…?」
そう弱々しく言うとコノの瞳から一粒、大きな涙がこぼれた。


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