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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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Truth's CHOCOLATE-3

「やっぱり…」
やっぱり!?
「アタシはね、哲希の誤解解きに来たの!!別れる気なんてさらさら無いから」
…誤解?何が…?は?意味わかんねぇ…。
「カズって…女の子だよ?『カズ美』っていうの」
お…女の子?
「最初、何で哲希がキレてたのか全然わかんなかったんだよねぇ。哲希は女の子と遊ぶのも許さないのかと思ったけど…なわけないよね」
コノは続ける。
「でさぁ、思い出したの…カズが男装してたこと!!」
男装、俺はちょっと考える。
「…趣味か?」
コノは笑った。
「違う違う!カズは劇団に入ってるんだ。で、昨日は衣裳を付けてリハーサルしてたの。カズってハッキリした顔だから男役が多いんだって!それで、昨日はリハーサル終わってからそのまま遊びに行ったの!!」
何じゃそりゃ…紛らわしいわ!!
「哲希がお姉さんと一緒だっていうことは、冷静になったらすぐわかった…」
コノはシュンとした顔をして
「アタシこそごめん…。哲希はアタシを信じてたから、アタシを責めなかったんだよね?アタシのこと疑わなかったんだよね?本当ごめん…」
と言って頭を下げた。
ってことは…
「じゃあ、コノは浮気なんか…」
「…するわけない」
ニコッとコノが微笑む。

あぁ、本当に良かった。

「良かったぁ…」
俺はコノにもたれかかってそのまま強く抱き締めた。すごく落ち着く…コノを抱き締めていると安心する。コノの香り、体温、小さい背丈も全て俺にドンピシャなんだ…。
「痛いよ、哲希…」
「イヤだ」
俺は首を振った。めちゃめちゃガキくさいけど、この腕を緩めたくない。ずっとこのまま抱き締めていたかった…。
「苦しいってば…」
「イヤだ」
「哲希…泣いてんの?」
「悪ィか…!」
ズッと鼻をすする。涙を堪えると肩が小刻みに震えた。そんな俺の背中に、コノは戸惑いながらもそっと手を添えた。
「男のくせに…」
「男だってな…ズッ…泣くんだよ…ズッ…」
「うん」
「安心するとな…ズッ…涙出てくんだよ…ズッ…」
「うん」
俺の耳元でコノは優しく相槌をうつ。
「大丈夫だよ…」
コノの腕にギュッと力が入った。
「言ったじゃん。アタシはここにいるって…だから…安心して…アタシは哲希しか見えない」
「…うん」


「へぇー、お姉さんめちゃめちゃ強いんだねぇ」
「そんなモンじゃねぇよ…!俺、鬼姉日記作れるぞっ」
「お姉さんの話もっと聞きたい!!」
「え…これ以上はちょっと…」
「聞きたい!!」
「放送コードギリギリだし…」
「聞きたい!!」
「社会の風当たり強くなりそうだし…」
「…聞かせろよ…」
「はい…」

…女って皆そうなのか?
…女って皆恐いのか?

じゃあ姉ちゃんは…女の鏡なのか…?

今回のことで、俺は女性の見方が少しだけ変わった。良く言えば、守られるだけが女じゃない、たまに甘えてみたり涙を見せてみるのもいいもんだ。悪く言えば…イヤ、悪く言うのはやぁめよっと!


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