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14's CHOCOLATE
【コメディ 恋愛小説】

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Truth's CHOCOLATE-2

何だよ…なんなんだよ…泣くなんて反則だろ…?ずりぃよ。俺だって泣きてぇよ…。
「授業…始まっちゃう…」
コノはそう呟くと俺の前から逃げるように走っていった。だけど、俺は動けなかった。
俺は信じてたんだよ、コノのこと…。コノの方から誘ったなんて聞くまでは…。何で他の奴じゃなきゃいけねぇんだよ、俺じゃダメだったのかよ!!「心は繋がってる」って「ずっと一緒」って…言ってくれたじゃねぇか…。
スピーカーからチャイムが流れた。俺は教室に戻る前に水飲み場に寄って顔を洗った。だって…泣き顔なんて恥ずかしくて誰にも見せれないだろ?


教室はもう橙色に染まっている。俺は机に俯せになって、首だけ窓の方に向けている。
女はいいよな。友達の前で泣けば慰めてもらえるし、涙は武器として使えるんだもんな…。その分なんだよ、男って…。なんで一人の時しか泣いちゃいけないんだよ。涙見せちゃいけないんだよ。誰だよ、男の子は泣いちゃだめなんて言ったのは…!男だってなぁ声上げて泣きたい時があんだよ…嘘でもいいから優しい言葉が欲しい時があんだよ…。
ズズッと俺は鼻をすする。そして、腕で涙を拭く。はぁ…もう何も考えたくねえな。そうだ!このまま寝ちゃおうか?起きた時、もしかするとコノと仲直りしてるかもしれない。または「嘘付いてごめんね?知らない人が道聞いてきたから教えてたの」とか言いながら、謝って来てくれるかもしれない。
コノの笑顔が頭に浮かび、その笑顔が俺の名前を読んだ。
「哲希…」
あぁ〜やっぱ好きなんだよなぁ。このまま終わりになんてしたくねぇな…。
「哲希…」
声まで聞こえてきたよ。俺も精神的にヤバイなぁ。いや、むしろ逆に悟ったのかもしれねぇなぁ。このまま宗教でも作ろうか…哲教とかいってさあ…おっ、意外にこれいけるかも!
「シカトかよ!!」
背中に平手打ちを受けて俺は現実に引き戻された。
「…コノ」
体を起こして、平手打ちをくらわしたのは誰だろうと思って見てみると、コノが腕組みをして立っていた。
「何だよ…」
俺はまた、椅子に座り俯せになった。もちろん首だけは窓に向けて。
「…ちょっと、イジけないでよ!アタシいろいろ考えたんだけど…」
コノはそこで言葉を切った。次にコノが口を開いた時、何を言われるか大体検討はつく。いいのか?俺…。コノとこのまま終わっても…また何も言えないで繰り返すのか…?
「アタシ…」
プライドなんか捨ててもいいじゃねぇか。姉ちゃんが何だよ。どうせ別れるなら誤解されたままよりも…!!
「ちょい待て!」
俺は俯せのまま、首も窓を向いたまま、大きな声でコノの言葉を遮った。コノはどんな表情をしているんだろう…。
「俺は姉ちゃんと店にいたんだ。足として使われて無理矢理連れてかれたんだ…!!別にやましいことしてた訳じゃねぇ!!コノにそんな所見せたくなかったんだ…紛らわしいことしてごめんな…」
コノは何も言わない。
「コノは俺じゃなくカズって男を選ぶのかもしれない。でも俺は…このまま別れたくないんだ…」
俺ははっきりと自分の気持ちを伝えた。あとは…コノがどう来るのか…。
「…ックク…アッハハハハハッ!」
「はぁあっ!?」
なぜ笑う!?ここはシリアスな場面だろっ!!普通ならお涙頂戴な部分だってば!!ほら見ろ、あんまりびっくりして立ち上がっちゃったじゃん!椅子なんて吹っ飛んでるよ!?


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