貧困娼年の放蕩-9
「んー、こりゃまたやらなくちゃ。ギャラリーのアンコールもあった事だし」
「あのお、ボク、死んじゃいますよ。ザキさんってば、凄すぎてっ」
まだ虚ろな瞳を彷徨わせ、脚はガクガクと震えて歩くのがやっとだ。
腹の奥に大量に排泄されたミルクはまだ熱を持って、翠の淫門を灼く。
考えて見ると、初めての事ばかり。本物の、手練れのゲイとセックスし、あまつさえそれをショーにして衆目に晒すなんて。
でも、手に入れた金額はちょっとしたものだった。
「あははは。セックスで死ぬならいかにも君らしくていいじゃないか。毎週金曜日には僕はここに来る。その気になったら今度はもっと満足させるよ」
分かれ道に来たときに翠はザキの袖口を掴む。
「ん?俺はあんまりベタベタするのが好きじゃなくてな」
「いや、あのう。そこの角に」
「ああ、吉野家か。あれがどうした?」
「牛丼、玉子入り、奢ってください。オナカがぺこぺこなんですっ」
収入があったからと言って散財するような人間と翠は違う。
チャンスがあれば逃さない。それだけだ。