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疼きに喰い込む赤い縄
【その他 官能小説】

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喰い込む-2

 「じゃあ、これはどうかな。」
 グゥウン…。
 先輩がスマホを弄ると、軽いモーター音と共に天井から赤い縄がU字型に垂れ下がってきた。
 素材は分からないが、細い紐のようなものをより合わせ、それをさらにガッチリと編み上げたように見える。その表面はデコボコと立体的に編み目が浮き上がっていて、擦れると痛そうだ。表面には艶があり、天井のスポットライトの光をテラテラと反射させている。太さは一センチぐらい。一定の間隔で大きな結び目が作られていて、その部分はもっと太い。
 「あの、これって…。」
 縄はベッドの中央に降り、縦に赤い線を引いた。
 「パンティを脱いでその縄を跨げ。ぴったり中央に挟むんだ。」
 言われた通りにすればこの縄が私の股間に何をするのか。考えるまでもない。ブルっ、と首が震えた。
 「早くしろ。」
 「え、でも…」
 苦痛への恐怖を感じつつ、それを自分が受け入れようとしていることに戸惑い、私は動けなかった。
 「ええい、面倒な!」
 彼は苛立ったように歩み寄ってきた。
 そして腕を伸ばし、私のパンティの股間部分の布を掴んで力ずくで引き剥がそうとした。
 「ああっ!」
 私はベッドの上で数十センチ引きずられ、端から落ちそうになった。
 ビリィ。
 「えっ…」
 だが、ベッドから落ちる前に、薄く頼りない私のパンティは破れ、奪われてしまった。
 私は尻もちをついたような姿勢のままで慌てて後ずさりし、膝を閉じて股間を隠した。
 「ふん。脆いものだな。」
 先輩はただの布切れと化した私のパンティを目線の高さでブラブラと揺らし、ポイっと投げ捨てた。
 「これで本当にハダカになったな、ソックス以外。あの時と同じだ。」
 「…そうですね。」
 先輩は私の裸体を見下ろし、腕組みをしながら、静かに告げた。
 「もう一度言う。直香、素直になれ。さあ、何をされたい?」
 はあ…、はあ…。
 私は荒くなっていく息を抑えながら、縄の上にしゃがんだ。
 「よし。」
 グイーン。
 先輩が再びスマホを弄った。すると、縄の両端がゆっくりと天井に向かって上がり始めた。
 「ぐ…」
 縄が上がるにつれ、それは私の股間に…いや、その奥の秘肉の谷間にギリギリと喰い込み始めた。
 「くはぁ…」
 堪らず立ち上がろうとした私の肩を先輩が押さえつけた。
 カクン。
 縄の上昇が止まった。
 「立つな。」
 「そ、そんなこと言われても…」
 「そこだけで体重を支えるのはキツいか。」
 「はい。」
 「手を後ろに回せ。」
 言われた通りにした私の腕は後ろ手に縛られ、天井から下りてきた別の縄に繋がれた。
 グーン。
 手が捻じり上げられていく。
 「痛…」
 「痛いよな。でも、その分喰い込みはラクになったんじゃないか?」
 「む、無理です。手が、手が!」
 「じゃあ、股の縄をもっと上げてやろうか。」
 「そんな…。」
 グン。
 「くうぅっ」
 縄が上昇し、股間にかかる重力が強くなった。私は両足で踏ん張り、お尻を持ち上げた。しかし、しゃがんだ状態で体を支えている足はブルブル震え、長くはもちそうにない。
 「しょうがない奴だな。」
 先輩は壁際の引き出しから銀色に鈍く光る物を取り出した。
 幅一センチ、長さ五センチぐらいの薄い金属板を二枚重ね合わせたような形をしている。いちばん後ろだけがくっついていて、前にいくほどV字型に開いている。
 「…それって。」
 「そう、この前車でも使ったクリップだ。」
 「や、やめて!」
 激痛の記憶が私を恐怖させた。
 「何を言ってる。あんなに悦んでたじゃないか。」
 「あ、あの時はおかしくなってたんです。」
 「またおかしくなればいい。」
 ガチ。
 「く…」
 右の乳首を挟まれた。
 先輩は力が強い。かなりの痛みだ。しかし。
 キリキリ、キリキリ…。
 やっぱりか。
 板を上下に貫通しているネジを、先輩が絞め始めた。
 「やめてってば!」
 私は身を捩って逃れようとしたが、合わせ目にギザギザがついているクリップは外れはせず、動けば動くほど乳首を引っ張られて余計に痛いだけだった。
 「あ、あうぅ…」
 私の胸の奥に、知っている感覚が広がり始めた。
 「どうだ、おかしくなってきたか?」
 「そんなこと…。」
 私は答えられない。なぜなら…。
 「口はうそをつく。だが、体は正直だ。乳首はカチカチに尖ってきたし、赤い縄を咥え込んでいる肉の隙間からは、何やら染みだしてきているぞ。」
 「…。」
 言われなくても分かっている。そう、私は乳首をいたぶられ、激しい痛みに苦悶しながらも、こともあろうにそれを気持ちいいと感じてしまっているのだ。
 キリキリ、キリキリ…。
 乳首はさらに強く挟まれ、平らに潰されてしまった。
 「反対側も。」
 「やめ…て…」
 左乳首に迫るクリップから、私は逃げない。
 ガチン。
 「あはうぅ…」
 頭のなかが白く痺れ、激痛が快感に倒錯していく。
 キリキリ、キリキリ…。
 「挟んで終わりと思うなよ。」


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