四度目の恋-6
「そっかぁー。」
「……。」
「それは、何だか…運がなかったね。」
「違う、俺がいけないんだ、折角のチャンスを。」
「そんな事ないよ、君が恋する事に躊躇いがあるっても分かるし、そんなの誰だって悩むじゃん。」
「風馬…。」
そう言ってくれると少しは気持ちがラクになるが。
「で、どうするの…このままその彼女さんにバイバイするの?折角気づけた気持ちを閉まったまま。」
「それは…。」
「それにその人の事だって考えないと、その隣人さんだってきっと君と離れて埼玉に行くのとっても辛いだろうし。」
彼女はずっと前から俺の事が好きだった。
今はただの友達でも構わない、何だったらうっとおしい世話焼き隣人くらいに思われても構わない、だから、せめて貴方の傍に居させて?
確かにそう告白してきた。
そう、そうだよな…
彼女はあんなにも熱心に俺なんかの事を。
それなのになんだ俺は、自分の事ばっか、何呑気に遠くへ行くんだから別にいいやって…バカだろ、本当に。
もうチャンスは失った?違うっ!神様がくれた最後のチャンスだろ!
「……。」
俺が何かに気づいた顔に気づく風馬。
このまま何もしなかったら後悔する、いいや何よりも彼女が可哀想過ぎる、このまま好きな人に何も答えてくれないまま、もう二度と会えずに離れる何て。
…けど、本当にそれでいいのか?彼女はもうじきここを離れるんだ、そりゃーこのまま何も答えずに離れるのは残酷と言っても過言ではない…。
しかしだからと言って彼女に告白しました、俺も貴女と同じ気持ちになりました。これから共に過ごしましょう、隣人としてではなく、恋人として。
………。
遠距離恋愛となるな、単純にさっき言った通りメールに電話、そして夏休みや冬休みにでも金貯めて会いに行く事も可能だ。事実俺には実績がある。
でもそんな簡単に割り切っていいものだろうか、いや違うな、メールや電話っつても結局の所面と向かって会話してる訳じゃないし、会いに行くのも本当にたまにだ、北海道から埼玉って…。
それにそのやり取りをして俺は失敗したんだもんな、お互いの事を想っての事だったんだろうけど。
ならやはり電話やメールをすりゃいいってもんじゃねーよな…。
「…まっ、どっちも正しいと言えば正しいし、けど!一度決意したら後で後悔しない事をお勧めするね。」
「風馬…。」
俺は、俺は…。