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蛍の想ひ人
【女性向け 官能小説】

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新田を見ればニヤニヤ笑ってコロナを飲み続けていて

「新田くんにどうしても会いたいって言われて来てみれば」
由布子さんは相変わらずオカンムリだ。

どうしても会いたいって?新田が?と疑問に思って
新田を見れば楽しそうにコロナをちょっと上げて

「由布子さんこんばんは」

なんてのんきに言ってやがる。

吉村ちゃん、頼むよ、この手を放してくれよ。
相変わらず俺にぶら下がっている女の子を由布子さんは引きはがそうとしてる。

「新田!お前何やった?」
「別に。電話交換の女の子に、1ヶ月ほど前まで加賀が良くかけていた電話番号を聞いただけ」

聞いただけって・・・

「そんなことして良いのかよ」
「ん?なんで?加賀が電話してたの就業時間内だし。会社の電話だし」
「・・・・」

「そんで、ちょっと由布子さんの会社に電話しただけ」

ちょっと、ね。

「そんで、吉村さんに今がチャンスだよって教えただけ」

教えただけって・・・

「由布子さんもさ〜。あんまり加賀に期待持たせないでやってほしいんだよね」

その言葉に由布子さんが固まった。

「加賀が本気なの分かってんでしょ?
貴女のために、いくら待ったか分かってんでしょ?
見込みがないなら綺麗に振ってやってほしいんだよね」
「・・・・」

「加賀を本気で好きな子もいることだし」


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