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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第9章 真っ赤なリース-2

サンタさんからのプレゼントに子供達は大喜びだ。田澤も美由紀も心からの笑顔が溢れる。クリスマスツリーは点灯し楽しそうな家族の笑い声。曇った窓の外から彼女は幸せなクリスマスイヴのワンシーンを見つめていた。

「真っ赤なお鼻の〜、トナカイさんがぁ…」
全てにおいて温かそうな部屋の中とは真逆の、体も震えるような寒気に体を冷やされながらも笑みを浮かべながらその様子をじっと見ていた。朱音が呟く言葉は白い息とともに空に舞い上がり、そして消えて行った。

「こんな幸せそうな帰る場所があってら、そりゃ帰るわよねぇ…」
顔には笑みが浮かんでいるが、その様子を見つめる目は全く笑ってはいなかった。
「なるほど…。確かに美人かもね。」
窓が曇り輪郭はぼやけているが、朱音には美由紀がはっきりと見えていた。
「でもさ…オバさんじゃない…。それに意地汚そうな顔…。心の卑しさが顔に出てるわ。胸だって私の方が大きいし…。どうせ垂れてるんでしょ?田澤さんはおっきくて柔らかくて張りのある私のオッパイが大好きなんだから…。子供を2人も産んで、そりゃあ緩いでしょうね。田澤さんは私の締まりのいいアソコが大好きなのよ?いっぱい舐めてくれるし…。それなのに…私を捨てていつもあんなオバさんの元に帰ってくんだもんね…。あんな指輪なんか捨てちゃえばいいのに…。」
そう言って視線を子供達に向ける。
「可愛くないガキだこと…。私が産んだらもっとアタマが良くてお人形さんみたいに可愛い子供になるのに。卑しい女から産まれたガキなんてあんなもんよね…」
朱音はフッと口角を上げた。

「田澤さん…、どうして東京に行っちゃうの?ここに入ればあなたの大好きなこの体をいっぱい抱けるっていうのに…。なんでも言う事を聞いて、尽くす女がいるのに…。あんな指輪をしてるから自分の本当の気持ちに気付かないのよ。」
朱音はポケットから手袋を出した。
「これ、あなたの為に買ったクリスマスプレゼントだよ?いつも手を寒そうにしてたから…。それなのに…」
するとふと笑みが消え、一転憎しみに溢れた形相に変わった。
「そんなに温かそうにして…。私への当てつけ?酷いわ…。あなたの事を誰よりも心配してるのは私なのに…。そっか、要らないんだ…要らないのね?」
朱音は手袋を地面に落とし、それを踏みつけた。そして満面の笑みで妻を見つめる田澤を見て、朱音は呟いた。
「どこにも行かせないわよ?課長…?」
そう言って窓からゆっくりと離れた朱音は敷地内、家の周りを、まるでクリスマスリースを描くかのように何周も何周も徘徊するかのようにゆっくりと歩いたのであった。


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