悪だくみ-3
マギーは顔を真っ赤にした華にクスッと笑いながら言った。
「佐川明子と小渕愛子がそれほど市政に興味があるとは思えないのよねー。結局目立つのが好きな人らだと思うのよ。だから市長になってこの街を変えたいとか、権力を振りかざしてとか、そんな事は考えてないように思えるのよね。」
「じゃあ何でわざわざ市長に??」
「きっと私腹を肥やして贅沢がしたい事と、あと自分の周りにイケメンを揃えてハーレムを作りたいだけなんじゃないかなー。」
「ハーレムって…、イケメン手下達とエッチしまくりたいって事?」
「そう。」
「まさかー。」
「まぁ私の勘だけどね。何かそんな気がする。」
もし本当ならふざけた女どもだと思った。しかし大抵の場合、マギーの勘は当たる事も知っている。マギーの勘を信じるのならば、確かにあんな罰の与え方は犯人もしないんじゃないかと言う気持ちも生まれた。ゲスな女に与える罰ならば全裸張り付けは妥当な罰に思える。初めは市政がらみの難解な事件になりそうだと思っていたが、もしマギーの勘通りならば、またなんともゲスでバカバカしい事件に思えて来た。必死になって面倒な政治がらみの捜査をして肩透かしを食らったらただのくたびれ儲けになってしまう。ならばまずマギーの勘を疑った方がいい、そう思った。
「じゃあ面倒臭いから、佐川明子と小渕愛子にそれを問いただしてみる?」
「そうね。ちょっとふっかけてみようか。」
マギーと華英は現在病院に入院している2人の元に事情聴取に向かうことにした。
「失礼します。」
まずは佐川明子の病室から訪れたマギーと華英。あれだけの恥をかかされ消沈しているかと思いきや、いきなり不機嫌そうな態度を見せて来た。
「私達はこういうものです。少しお話を聞かせてもらってもよろしいですか?」
明子はイライラした口調でマギーに言った。
「ちょっと!まだ犯人捕まらないのっ!?早く犯人捕まえてよ!あんな恥をかかされて、絶対に許さない!!」
もう入院など必要ないのではないかと思える程に元気に見えた。
「お身体の方は大丈夫ですか?」
「別に何ともないわよ!それよりSNSとかであの時の写真が拡散されてんじゃないのよ!早く消してよ!!」
「私達も努力してますが、もう多くの人らがダウンロードしてて手の打ちようがないんですよ。一つづつ削除命令は出してますが。」
「タラタラしてないでさっさと抹消して!名誉毀損で訴えてやるわ!!」
怒りが収まらない明子。そこには市長の品格など微塵も感じられなかった。