の-1
仕事帰りに駅で待ち合わせをして軽くご飯を食べて
今話題の「プリティー・ウーマン」をレイトショーで観に行った。
「凄いね」
その夢のような話と、映画の豪華さに由布子さんは興奮してて
そっと握った俺の手をぎゅっと握り返した。
ヤバッ
そんな些細な行為に気持ちが踊る。
「ジュリア・ロバーツめちゃめちゃ可愛かったね!」
そう興奮している由布子さんの方が可愛いよ。
「いい映画だったね。もう少し話したいから少し飲みに行く?」
レイトショーが終わったこの時間はすでに遅い。
「いや。送って行くよ。明日も仕事だろ?」
「Are you sure you don't want a drink ?」
映画の中でジュリア・ロバーツが言ったセリフだ。
――本当に飲みたくないの?
俺はすぐに分かってニヤッとする。
「I'm high on life. Can't you tell ?」
――俺は人生に酔ってるんだ。分かるだろう?
俺はリチャード・ギアのセリフで応酬する。
その反応の良さに由布子さんが大笑いして。
「あっはっは。キザな男よね。エドワードも」
その言葉に小さく笑うけど。
今、俺は本当に人生に酔ってるんだ。
こんな風に、2人で仕事帰りに映画を見て
映画の内容で笑いあう。
これ以上望んだらバチが当たるな・・・