悦子-30
「何だ? また縛ってくれと言うんだろう?」
「お馬鹿さん。そんなお願いじゃありません」
「それじゃ何だ?」
「ちょっと寝てください」
「こうか?」
「はい」
「待て。今日は随分慌ててるじゃないか。そんな直ぐに入れようとしても駄目なんだ。ということはないな。もうビショビショに濡れてるな」
「あっ」
「何か、こうすんなり入れてしまうと、次にどうしていいのか、ちょっと考えてしまうな」
「先生」
「ん」
「先生」
「ん?」
「明日私と一緒に山梨まで来てください」
「あんだ?」
「お爺ちゃんに会って頂きたいのです」
「え?」
「喉もとのキスマークを見つかって問い詰められてしまったのです」
「蚊に食われた跡だと言えばいいんだ」
「もう全部本当のことを言ってしまいました」
「ほう。何?」
「ですから、お爺ちゃんに会って頂きたいのです」
「馬鹿言ってんじゃない。僕はまだ死にたくない」
「何のことを仰ってんですか?」
「君の爺さんに殺される」
「まさか。結婚を許してもらうために、会って頂くんです」
「結婚?」
「はい」
「僕と君の?」
「そうです」
「あのなあ」
「何ですか?」
「結婚はいいとしても、早すぎはしないか? もっと何年も付き合ってお互いの人間性をだね」
「出来たんです」
「何が?」
「子供です」
「何?」
「だから早い方がいいんです」
「僕の子供なのか?」
「馬鹿」
「痛いなあ。乱暴するなよ」
「先生が馬鹿なことを仰るからです」
「うっ」
「どうしたんですか?」
「そんなに締め付けるなよ」
「別に締め付けたりしていません」
「あのなあ、大事な話だから、セックスは後にするか?」
「もう話は終わりましたからいいです。何か考えたいことがおありなら、先生はゆっくり考えていてください」
「そんなこと言っても、セックスしてるときは血液がチンポに集まってしまって、考えることなんか出来ないんだ」
「それじゃ頭を空にして楽しんでください」
「ん?」
「今日は私が先生に沢山キスマークをつけますから、我慢してくださいね」
「え?」
「…」
「ちょっと待て、ちょっと待て。僕はくすぐったがりだから、キスマークは駄目なんだ」
「…」
「駄目だ、駄目だー」
栄一は本当にくすぐったいのが苦手で、悦子にキスされて吸われて、全身鳥肌が立っている。結婚が掛かっていると女は人が変わったように強くなるのか、栄一がもがいても、上に乗った悦子はビクともしないでキスを続けていた。飲み込まれた栄一の性器は強烈に締め付けられており、アッと思ったときはくすぐったさが快感に変わり、栄一はアーと叫んで射精してしまった。