悦子-10
端正な顔をしかめているがしかめていてもこの顔は美しい。眼は強く閉ざしていて眉はきつく目頭に引き寄せられていた。口紅は綺麗に引いていたがキスをしたから既に口の周囲に紅がにじんで広がっている。眼には化粧をしていない。眉も特に描いてはいないようだが、綺麗な線だから毛を抜いて形を整えているに違いない。激しく何度も腰をぶつけていると栄一も高まってきて、一瞬迷ったがそのまま奥深く射精した。自分から誘ったくらいだから避妊のことも考えてあるに違いないと思ったし、最後の1番いい瞬間に抜く気にはなれなかったのである。
キスをしたまま激しいセックスをしたから悦子は息苦しかったのだろう、栄一が射精し終わると小さな口を精一杯あけて喘いでいた。どちらが出した涎か知らないがにじんだ紅の上に乗ったヌラヌラした涎のてかりが妖しく見えて厭らしい。その眺めが、放出したばかりで一瞬力を失っていた栄一の性器に力を蘇らせた。悦子の体内で膣壁を押し返すように大きさを取り戻した。栄一はそのまま身を起こして悦子の足下に座った。悦子の脚は栄一の体の両脇に開いている。結合したままの自分の性器を見るとそれは悦子の唇のようにヌラヌラと濡れてしかも薄紅色になっている。何? 処女だったのだろうかと思って栄一の性器を呑み込んでいる悦子の性器を指で拡げて見ると、それは明らかに出血のようであった。
「驚いたな。君は処女だったのか」
「・・・」
「処女にしては随分感じていたじゃないか」
「・・・」
「僕のチンポはかなり大きい方なんだけど、処女ではそんなことは分からないだろうな」
「・・・」
「黙ってないで、何とか言えないのか。それとも感じすぎて声が出ないのか?」
「何だか太い杭を体に打ち込まれたような感じがします」
「そうだ。今、ぶっとい杭を打ち込んであるんだ。2〜3日はこの感触が性器に残るぞ。股の間に杭を入れたまま暮らしているみたいな気がするに違いない。嬉しいだろう」
「先生は露悪家でいらっしゃる」
「露悪家でいらっしゃるんだ。おっぱいも股間もキスマークと歯形を沢山付けてやった。君の注文だったからな」
「私は胸に1つだけ付けて頂くつもりでした」
「僕は親切だから1つなんてケチなことは言わない。沢山付けてやった。どれも腫れているから今に痛くなって、4〜5日経つと痒くなる」
「既にもう痛いです」
「そうだろう。内出血しているからな。今は赤いが後に紫色になる。それから段々黄色になって色が薄れて最後は完全に消えてなくなる。はかないもんだな。一生消えてなくならないキスマークなんてないんだ」
「消えてしまったら又付けて頂きに参ります」
「ほう。最初のセックスでやみつきになってしまったか。処女にしては感じ過ぎる程乱れていたから君は多分生まれつき淫乱なんだろう。まあ僕は嫌いではないけどな、そんな女が、というよりも、淫乱な女なんて言うのは国宝みたいなもんだ」
「・・・」
「この下着は何だ」
「あっ、駄目です。いけません」
「何が駄目なんだ」
「下着なんて見ないで下さい」
「何で? ふん、染みが付いているのを見られたくないという訳か。大きな染みじゃないか」
「厭」
「僕の家に来る前からあれこれ想像して濡らしていたんだろう。こんな清潔そうな下着は君には似合わないぞ」
「どんなのが私に似合うんですか?」
「娼婦の穿くような奴がお似合いだ。黒だの赤だの紫だので、レースが付いてる小さな奴。この淫乱な性器が透けて見える奴がいい」
「そういうのが先生のお好みなんですか?」
「いや僕はもっとこのビラビラが発達していて外に顔を出してるような性器が好きなんだ。そのほうがビラビラを吸い込んでグチョグチョさせて楽しめる」
「そうじゃなくて下着のお好みを聞いているんです」
「あっ、下着のことか。それは勿論見るからにエロっぽいド派手な奴が好きだ。それだけではなくて、そういうほうが君にお似合いだと言っている。なるべく厭らしく見えるセクシーな奴がいい」
「そんなの恥ずかしくて買えません」