妙子2-47
「ビジネスって、どんなビジネス?」
「それはお前は知らなくてもいい」
「ヤクザとやるビジネスなんて想像もつかないけど」
「そうだ、それでいい。ヤクザとつるんで何かするというのは余り褒められたことじゃない」
「久美ちゃんて、そんなことしてたの?」
「ああ」
「株を売買してるとか?」
「馬鹿。それは俺が総会屋だから出来ることだ。あいつはタダの普通のヤクザだから株とは関係ない」
「そうか。研はやっぱり頭がいいんだ」
「そうさ。今ごろ分かったのか。そこらのヤクザと一緒にするなよ」
「うん」
「お前のおっぱいは本当に何時見てもいいな」
「ねえ」
「これだけデカイと今に垂れるな。垂れてもデカイ方がいいけど」
「ねえってば」
「何だ?」
「そうなると・・・」
「ん?」
「そうなると、どうなるの?」
「おっぱいが垂れた時のことか?」
「馬鹿。おっぱいの話なんかしてないよ」
「何の話だ」
「あいつが黒幕ではなかったということになると、誰が研を襲ってたことになるの?」
「それは、だから分からない」
「分からない?」
「ああ」
「そしたら又襲われるの?」
「そうだろうな」
「そんな暢気なこと言ってていいの?」
「別に暢気に言ってる訳じゃないけど、しょうがないだろ」
「どうしたらいいの?」
「まあ、俺はヤクザだから襲われてもビックリしやしない。だけど、襲われて嬉しいことはないな」
「当たり前よ」
「喧嘩で負けたことがないと言ってもいつかは負ける。双葉山だって69連勝で止まった」
「双葉山って誰?」
「相撲の横綱だ」
「相撲は興味ないから知らない」
「昔の人だ」
「いつかは負けるなんて暢気なこと言ってていいの?」
「暢気も短気もない。自然の法則を言っただけだ」
「だからそんなに悠然としてらんないでしょ。自分のことなんだから」
「しかしどうしようもないからな」
「いつも若い人連れて歩いて1人では出歩かないようにするとか、何か考えた方がいいよ」
「俺より喧嘩の強い奴は俺の周りにいないんだ。俺より弱い奴を連れ歩いて何の意味がある?」
「弾除けくらいにはなるよ」
「防弾チョッキの代わりか」
「うん」
「人間誰でもいつかは死ぬんだ。タバコをやめて毎朝ジョギングしても明日交通事故で死ぬかも知れない。だろ?」
「そうだけど」
「戦争なんか敵の弾に当たって死ぬより、後ろから飛んでくる味方の弾に当たって死ぬ方が多いんだぞ」
「そんな戦争の話なんか関係無いじゃない」
「いや。だからだな、襲われた時のことを考えて用心に用心を重ねて暮らしても、寝てる間にお前に刺し殺されたり絞め殺されたりすることも有り得ると言ってるんだ」
「何で私が研を殺すの?」
「そんなのお前がやることだから俺には分からない。浮気したと勘違いしたとか、死にたくなったから無理心中するとかいろいろある」
「浮気してるの?」
「馬鹿。勘違いと言っただろ」
「それじゃしてないのね」
「してない。お前が俺を満足させてる限り俺は浮気なんかしない」
「毎日セックスすれば満足なの?」
「毎日セックスしたら死んじまう」
「それじゃどうすれば満足してくれるの?」
「バイブ付きパンツ穿いたらずっとスイッチを入れるとか」
「又それか」
「又それかって馬鹿にするんじゃない」
「馬鹿にしてないよ」
「それならそうするんだ」
「だって」
「そんなとこ握って何してるんだ」
「セックスしようと思って」
「何の為にシャワー浴びたと思ってんだ」
「シャワー浴びたらセックスしないの?」