夢-1
柔らかい、素敵な乳房だ。
君はいつも僕に優しい。
次郎、帰ってきたら、いっぱい、エッチしようね、君はとても素敵だ。
僕はある時からずっうと寝ているらしい。
これは、多分、夢だ。
最後に起きて視た景色は、東南アジアの山奥だった。僕は自衛隊の海外派遣部隊の民間支援組織の一員として、装甲車に乗っていた。仲間は曹長を除いて、全員が初めての任務だ。
車が急停車した。
銃眼から覗くと、赤ん坊を連れた女性がいる、と誰かが言った。
彼女を助けるべき対象と考えた僕たちは、車から降り、彼女に近寄った。
最初に話しかけたのは、誰だったかな?
思い出せない。
そして、話しかけた瞬間、彼女は満面の笑みで、そう、満面の笑みで、光になった。
訓練では聞いてはいた。
アフガニスタンでソ連軍や米軍が直面した、敵の方法についてだ。道路に赤ん坊が置いてある。助けようと降りると、銃弾やRPGの雨あられだ。
女性、そして怪我をした子供や大人たちは、彼ら自身が爆弾だ。
中には、致命的な性病に自ら感染し、それを兵士たちに閨でうつす売春婦もいる。
きいてたはいたさ。
でも、僕ちはここに人助けのためにきたんだから、無視して轢き殺すことはできないよ。
それをしたら、僕はもう、人間じゃない。
そうさ、だから、僕はこうした夢をみている。
夢の外では、お医者さんらしき人たちが、あーだこーだ、ずっと言っている。
細胞外マトリクスをアメリカ軍から取り寄せたから、手足ははえる、とか、視覚は光学機器で、などなど、まるでSFの世界だ。
手足が生えるって!! 笑えてくる。
でも、それは現実になった。