日常と非日常の境界-7
「(デート、、、)」
たぶん、あたしが告白したら佳菜子は付き合ってくれると思う。
そしたら、デートとかもするんだよねぇ。
あたしは頬が弛みそうになるのを押さえながら自転車を走らせる。
佳菜子の家は寸で五分の距離にあった。
「おじゃましまぁーすって。うわっ」
あたしはドアから勢い良く飛び出した佳菜子にぶつかりそうになった。
「智子ぉ。」
だけど、佳菜子は嬉々としていて、なんだか悪気もないみたいで。
「もぅ。あたしたち高校を卒業するような年なんだから、子供みたいにはしゃがないでよぉ。」
「えへへっ。だって智子があんまりにも可愛いんだから。ついね…」
あたしは佳菜子から可愛いと言われて自分でも頬が熱くなるのを感じていた。
「もう。馬鹿」
そんな他愛無い話をずっと玄関でするわけでもないので、佳菜子が家にあげてくれた。
「へぇ。久々だね。佳菜子の家。今日は家族はいないの?」
佳菜子は飲み物を出してくれるのかキッチンにいた。
「そっ。旅行に行くんだって。あたしは委員会があるから一人で留守番。」
「一人で…」
「ふふっ。智子がお望みなら、二人きりにもなれるわよ。」
当然これも佳菜子の冗談半分なのはわかっていたが、あたしは二人きりという言葉が気になってしまう。