離-5
「私は何のプレゼントも用意してないの」
「大丈夫」
「実は、昨日までココにくるか悩んでいたから・・・」
そっと後ろから彼女を抱きしめた。
「来てくれてありがとう。
プレゼントはもうもらってるよ。洋子自身が俺への1番嬉しいプレゼントだ」
「そんな」
「今日来てくれなければ何も始まらない。ありがとう」
俺は後ろからきつく洋子を抱きしめた。
「その代わり、俺は死ぬまで洋子を求め続けるよ。
これから先、一生分の洋子を頂戴」
そう言いながら俺は洋子に深く濃厚なキスをした。
「さ。料理を食べよう、加賀に感謝して」
俺たちはくすくす笑いながら
加賀に感謝して、美味しいフレンチを食べた。
この瞬間、この部屋で2人で美味しいものを食べて
美味しいワインを飲んで
それだけで幸せだ。
今までクリスマスなんて友人とパーティをするだけのイベントだった。
それが洋子が隣にいるだけでそれは特別な夜になって
今までの「イベント」から「特別な日」に様変わりする。
好きな女の子に愛を告げて
そしてそれを受け入れてもらって
2人でそれを確かめ合う。
クリスマスってなんて素敵な日なんだろう。
俺は初めてこの日を特別な日だと思った。