医学部実習 医師役-2
唇を離した。私はとても惜しい気がした。
「じゃあ、始めるよ。」
「うん。」
私は彼の下半身の方へと移動し、彼の敏感なエリアをじっと見つめた。
見ているだけで私は下腹部の奥に疼きを感じ、それはおそらく体の変化となって表れただろう。でもそれは、誰にも知られはしない。対して彼の体の変化は、誰の目にも明らかだった。
「いいんだね?」
「そう、だよ。いいよ…。」
私の顔が、いや唇が、彼のそこに近づいていく、近づいていく、近づいて…いく。
私の疼きはさらに増した。それに伴う体の変化も。それは彼も同じだった。
「え…。」
少し首をかしげながら唇の間から舌を出し、戸惑う彼のそこに
「あはうぅ…。」
触れた。
「今のはどう感じた?」
「え…どう、って言われても、先生。」
とても敏感な先端に舌を這わされたのだ。答は決まっている。しかも接触の瞬間、その部分が小さくピクンと動いたのを舌の先に確かに感じた。彼は間違いなく…。しかし。
「あの…、えっと…。」
「正直に答えてくれないか。みんなの、そしてお前の勉強のためなんだ。」
そうよ、そうだよね。お勉強なんだ。
「分かりました。」
彼は小さく深呼吸した。
「すごく感じました。快感が下腹部にジーンと深く染み込んできました。」
はあ、というため息がそこかしこから聞こえ始めた。女子たちだろう。
「よし、ありがとう。」
先生は学生たちの方に振り返った。
「分かったか。こんな風に気持ちいい経験を少しずつ積み重ねさせてあげるんだ。」
みんなが頷いた。
「よし、続けて。」
「はい。」
再び私は顔で、唇で、舌で彼の敏感な所に迫っていった。
それを縦横無尽に、でも、そっと優しく彼に這い回らせた。
「あは…あうぅ…はあぁ…。」
彼が悦びの声を漏らした。
気が付くと彼は私の目を見つめていた。私の行動に対する彼の反応が真実のものであると伝えたがっているかのように。
ならば私も、嘘偽りのない感情を彼にぶつけよう。
「ん…、ああ、あはぁあっ!」
彼はキュっと眉間に皺を寄せ、半開きの口から感じたままの声を漏らしている。
先端を上下左右に舐められ吸われ、襲いかかる快感に責め苛まれているのだ。
「ねえ、私のしていることに問題は無い?もっと続けてもいいかな?」
「うん、すごく…いいよ。もっと強くてもいいぐらいだ。」
「こう?」
「あはうぅっ!」
私は舌に指に唇に、一段と力を入れた。彼の体が痺れたかのようにうねり始めた。悦楽に溺れていくのが明確に見て取れる。
「え…。」
私は彼にまたがり、剥き出しの自分の入り口をあてがった。彼は目で答えた。いいよ、来て、と。
「う、うう、あはぁ…。」
私は彼をゆっくりと飲み込んでいった。乱暴にではないが、ガッチリと咥え込んで。
突き当りまで受け入れると、私は焼け付くように熱いそれを締め上げながら上下にしごいた。
「あうっ!う、うあはぁ!うぅぅぅぅ…。」
みんなが見ているというのに、彼は声を止められない。私の想いはそれほどまでに深く強く重い。
私は片手をお尻の方に回し、彼の袋を掴んだ。それはシワシワで微かに温かかった。それをギューっと握りしめ、手首の回転で弄んだ。もちろん、腰を激しく上下させ、しごき続けながら。
「うはっ!くうぅ…んはあぁぁ…。」
彼が懇願するような目を向けてきた。その時は近い。
「行くよ。」
「うん…。」
私は袋を捻じりながら、限界まで持ち上げたお尻を何の抑制もない自由落下で彼に叩き付けた。何度も何度も。悦びにくねる彼の腰の動きがよりいっそう大きく激しくなり、私の中の彼はいっきに膨張し…。来る、来る、来る!
「う、う、う、うはぁあぁぁぁぁぁ!」
「待ちなさい!」
彼のその瞬間は、女子学生の一人によっていきなり阻止されてしまった。
「な、はあ、はあ、はあ、何よ、はあ、何なのよ。」
先生もがっかりしたような表情を浮かべている。
「おいおい、盾風(たてばやし)、そんなところで止めてやるなよ。分かるだろ?」
盾風?こんな子居たっけ?こんな子…こんな子…。
「あなたも何やってるのよ清志!誰よ、この女!」
誰って、私は美濃村…私は諒子…私は、私は、私?私…私…私…
…
…
…
「ん?」
自宅の玄関だ。ビショビショに雨に濡れたままうつ伏せになっている。
「まさかの夢オチ、か。」
私はそのままもう少しだけ泣いた。