第39話 『エレエレ踊り』-3
「ほら、時間もないし、さっさとやる」
「え、『エレエレ踊り』、踊らせていただきます……!」
2番がとった体勢は、その場でしゃがみ、V字に開脚した足を首に回す。 そのまま股間と顔を寄せ、柔軟性をフルに発揮し、顔と膣とを密着させるものだった。
「おっ……お、おまんこ、おまんこ、クンカクンカクンッ! おまんこ、おまんこ、クンカクンカクンッ……!」
鼻先を陰唇に挟むと、口を膣口にあてたまま、くぐもった声をあげる2番。
「おまんこ、おまんこ、クンカクンカクンッ……おまんこ、おまんこ、クンカクンカクンッ……すぅぅー……」
そのまま大きく息を吸い込んだと思うと、
「うっ、ぶふっ、うぇっ……おえぇぇぇぇぇっ!」
ブバッ、ぶしゅしゅしゅしゅっ。
2番は胃に僅かにのこった内容物を、胃液と共にぶちまけた。 ポリ袋代わりに両手で拡げた膣口めがけ、酸味が残った白い半流体を注ぎ込む。
「おえっ、おぶぇっ、オヴォロロロロ……」
一度切った堰は止められない……2番の嘔吐はホンモノだった。 ただし、いつまでも吐き続けるかというと、そうではない。
「うっ、うぇっ、えぷっ……すぅぅ……」
唾液、胃液が途切れたところで深呼吸する。
「おまんこ、おまんこ、ゴクゴクゴク! おまんこ、おまんこ、ゴクゴクゴォクッ!」
一声大きく叫んだと思うと、
「あぶっ、あぐっ、あぐっ、あんぐ……!」
溢れた吐瀉物に貪りついた。 さっき吐き出したばかりの饐えた塊を、
「ごくっ……ごくん……」
順次頬張っては嚥下した。
「ずずず……ずぞぞ……」
あまつさえ音をたてながら、膣に残った吐瀉物の残滓を啜る。 そうやって一通り膣に吐きだしたモノを再び体内に収めたところで、2番は嘔吐物で汚れた顔を自分の膣に押しつけた。
「おまんこ、おまんこ、クンカクンカクンッ! おまんこ、おまんこ、クンカクンカクンッ……!」
先ほどの掛け声を繰り返す。 腐った薫りと酸味が混じり、一層胸が悪くなる肥溜めになった膣の匂い。 嗅いだあとは、
「おえっ、おええっ、オロロロロロ――ッ」
二度目の嘔吐が待っている。 もちろん膣を拡げ、零さないよう、膣口を目掛けての集中嘔吐だ。
自分の膣の匂いを嗅いだ直後に嘔吐し、すべての吐瀉物を胃に収める。 この汚物循環5セットを、5分以内に仕上げること――それが、2番が渡された紙キレにあった『エレエレ踊り』だった。 ちなみに膣から零れた嘔吐物は、本人が舌で清めることになる。
嘔吐と貪食を繰り返す2番の姿。 2、3組の生徒たちは、蒼ざめ、慄きながら眺めている。 1組生徒は、既に50番が何度も行ってきた振舞なのだろう、『またか』という感じで肩を竦めている。 当人たちはといえば、2番が屈服することを確信してか、50番はニヤニヤと薄い笑みを浮かべている。 2番は、傍目には嘔吐物に塗れ、もはや表情は伺えない。 ただ、束の間深呼吸時に見せた横顔は……引き攣ってはいたものの、明らかにそれと分かる、凄惨で満面な笑顔だった。