蓮の決意-7
そこには私が昨日出会った彼の姿があった、……そしてその横で楽しそうな笑顔でどこかのテーマパークでのツーショットで写った彼女、柊先輩の顔が確かにそこにあった。
「な…何、これ。」
「……。」
「先輩っ!ふざけないで下さい!」
「私は貴女にこんなおふざけで傷つけ何てしないよ。」
「っ!だ、だったらぁ。」
「………。」
無言でじっと私を見つめる、その目はまるで「言いたいこと、分かるよね?」訴えているようで。
「……まさか、彼の恋人って。」
「同じ制服、同じ学年、低身長で茶髪、けどこのくらいに似たような人はいる、そう思ってた、ううん!そう思いたかった!けど…美術部で彼女が居るって聞いて、私の疑惑がどんどん確信へとなっていくような気がして。」
「じゃー私は先輩と同じ人を好きに。」
「違うよ、私と彼は正式に付き合ってる、それに対して貴女はただお礼が言いたいだけであって。」
「……。」
私は、とんでもない人と出会って、いや好きになってしまったのか。
「もう一度だけあってお礼がしたいんだよね?」
「……え、えぇー。」
だけ、なんて言ったかな、先輩が何かを警告するかの如く言ってもない事を付け足し。
「……。」
「………。」
どうして、こんな事に。
楽しいカフェから一転重苦しい空気に。すると少しの間無言があったのに、急にニコッと笑い。
「分かった!じゃー今度会わせてあげるね。」
「先輩…。」
「ゴメンね、なんか怖がらせちゃって。」
「はぁ。」
普段通りこちらこそー、とも言えず。
それからは何事もなかったようにドーナツを楽しみ、別れる事に。
そして別れ際のさい、彼女は言った。
「茜ちゃんの事、信じてるから。」
私にはこの言葉の意味が正確に理解出来ないでいた。