蓮の決意-11
人気のない公園、遥か向こうでは野球少年達が練習に励んでいる。
僕はここである人を待っている。
「え、呼んだ?」
「うん、若葉ちゃんにもこの事話したら二返事で協力してくれた。」
何とかする、そう言った友人…。どうやら彼が彼女柊さんに事情を話し僕らを会わせようとしてくれたようで。
何だか緊張する。
「アンタ、まーた私の勝手にー!」
「すーぐそうやってふざけてー。」
「…でも、隣に居ると落ち着くのよねー。」
不思議なものだ、隣にいて当たり前の親しい人を会うのにまるで生き別れた家族と再会するかの如く体が膠着する何て。
不意に彼女との他愛もない会話を思い返す。
僕は、これからどうなるんだろう。
……。
違う、どうなるか、じゃない。どうするかだ。
そしてその答えはもう…決まっている。
「!」
「……。」
そんな僕の想いを察したかの如くその人は僕の前に現れた。
「巴…。」
「……。」