テイク・ミー・ハイヤー-2
私の乗るゴンドラは遂に頂点を迎えた。だが、私の頂点はそれに間に合わなかった。
「このまま続けるの、私?」
危険だ。
「でも、上のゴンドラの人が振り返って覗きこまなければ見えないわ。」
いやいや、反対側の景色も見たいからと振り返るのが普通だろう。
「だけど…こんな中途半端な状態でやめるなんて、私のここが許さない…。」
私はそのまま続行した。下半身に何も着けず、大きく足を開いてその中心を弄り回しているのを見られてしまうかもしれないのに。
「う…、ああ、あはぁ…。」
今にも振り返って、
「はうぅ…。」
こっちを覗きこみ、
「あはあぁ…。」
こんなことをしているのを見られてしまったら…。
「はぁあぁあ…。」
上のゴンドラの窓の内側で、茶髪のポニーテールがゆっくりと横を向いていくのが見えた。でも。
「な、なんか出る…出てしまう!なんなの?」
ポニーテールは真横を向いたが、止まることなくさらに首を回転させ、後ろへと振り返ってくる。
「見られる!でも…出る、出る出る、なんか出るぅ、うぅうっ!止まらない、止められない!」
ポニーテールの女性が完全に後ろを向いたのが見えた。
「くあぁっ!くぅ…うぅ…。ぅあああああぁぁぁ………。」
私はきつく目を閉じ、歯を食いしばって硬直した。サラサラした液体が流れ落ちるのを指先とお尻に感じながら。下腹部には快感の波動がジュワーっと重く深く染みわたり、それは甘美な痺れとなって私の体を縛り上げた。
私の自由を奪っていた縛めはやがて穏やかに解けていき、ようやく薄く開くことの出来た目にポニーテールの女性が私よりもはるか上空に視線を投げているのが見えた。
私は急いでスカートを穿いた。びしょ濡れのベンチをパンティで拭き、それはポケットに捻じ込んだ。
「おかえりなさーい。」
係員のお兄さんが出迎えてくれた。
「どうでした?」
「すごくよかったです。上昇するに従って私の気持ちも天に登るかのように上がっていって。」
「でしょう?いい写真、撮れました?」
「あ…。あまりにも素敵すぎて、写真撮るの忘れてました。」
「あはは、そうでしたか。よろしければまた乗ってくださいね。」
「ええ、ぜひ。」
その時、後ろのゴンドラに乗っていたポニーテールの女性が通り過ぎざまに私の方をチラリと見、もの言いたげな視線を投げかけてきた。
まさか。
…
「あの、何か?」
「何、っていうか…。」
彼女は気まずそうにしている。
「見えちゃったんですよ。」
…
「スカートの後ろが汚れているのが見えちゃったんですけど、他人の私がいちいち言うべきかどうか迷ってしまって。すみません、ヘンな感じにしてしまって。」
私は苦笑いした。床に脱ぎ捨てた時に汚れたのだろう。あの時は丁寧に扱ってる余裕なんかなくて床に投げちゃったから。そのぐらい、脱ぐことしか考えられなくなっていた。
「いえいえ、教えていただいてありがとうございます。」
彼女は会釈をして去っていった。私も会釈を返した。
ポンポン、とスカートをはたいた。すると、ポケットから湿ったパンティが顔を出してしまったが、係員のお兄さんは別の客の応対をしていたので見られずに済んだ。