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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第6章 不倫の入り口はクリスマス・イヴ-3

到着したレストランは県内でも有名なイタリアンレストランであった。店内はお洒落に着飾ったカップルで満席であった。どうやら予約をしていたようだ。自分の為に大切なクリスマスイヴの日に有名なレストランを予約していてくれた事も田澤に心を惹かれた理由の1つだ。朱音は頭の中をポーッとさせてしまい、何を注文したのかも良く覚えていなかった。

まずシャンパンで乾杯をした。すっかり舞い上がってしまった朱音は何がなんだか分からないまま乾いた喉を潤わせた。
「フゥゥ…」
一口飲み干した後、落ち着かせるようにゆっくりと息を吐いた。そして周りを見渡す朱音。周りの女性に比べてお洒落な服も着ていなければメイクもしていない自分が物凄くみすぼらしく思え恥ずかしくなった。

「化粧だけでもして来れば良かったです…」
肩をすぼめる朱音にようやく自然な笑顔を浮かべた田澤。
「まぁ気にするな。確かにみんなお洒落なカッコしてるよな。クリスマスイヴだからな。でもまー俺達はクリスマスイヴを楽しんでいる訳じゃない。これは立花の復職祝いだ。だからお前が着飾る必要はない。」
「は、はい…」
クリスマスの雰囲気に流されずそう言ってみせた田澤が輝いて見えた。
「それにお前、クリスマスイヴに目をキラキラさせるような性格でもないだろう??」
悪戯っぽくニヤッと笑う。
「それって酷くないですかぁ…?でもまぁ、そうですけどね…」
頭を掻いて照れ笑いを浮かべた朱音。そんな朱音を見て田澤が言った。
「ようやく笑ったな。」
「え…、あ、すみません…」
あの事件以来笑顔を忘れていた朱音。笑えと言われてもうまく笑う事は出来なかったであろう。しかしそんな自分を自然に笑わせてくれた田澤は凄いなと感じた。ますます心を惹かれてしまった。

やがて食事が運ばれて、他愛のない会話をしながら食事をする朱音。久しぶりに味覚が戻ったように感じた。あれ程気になっていた世間の目は全く感じなかった。きっとそれはもはや朱音の目には田澤しか映っていなかったからであろう。男性にここまで心を奪われたのは初めてであった。言葉は足りないながらも人生終わりかけていた自分を救ってくれた田澤への恩がいつのまにか愛へと変わっていたのであった。

2人は今、ホテルの一室にいた。食事を終え送って行くと言った田澤に帰りたくないと甘えたのは朱音の方であった。朱音はいま、田澤に優しくベッドに押し倒され、唇を重ね合わせながらボタンを1つずつゆっくりと外されているのであった。


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