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『まほうのパティシエ ピュア☆ドルチェ』〜せいなるよるの おとどけもの〜
【ファンタジー 官能小説】

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まけないで!ピュアドルチェ-6

しょろろ。
ポタポタ、ぽた、ぽた、ぽた。

肩で息をしているあたしの身体から噴き出していた液体が、ようやく渇れ果てた時です。

『どうやら、あまりの心地よさにのぼりつめてしまったようだねえ』
そう言ってアタマを優しくなでてくる女王を、あたしは弱々しく見上げて、
「のぼり、つめる・・・?」
『そう』
訊ねるあたしを見下ろしつつ、女王はうなずきます。
『お前はねえイチゴ、快楽の絶頂に登り詰めてしまったの・・・わらわのあるじ、魔王ディヴァインキング様の舌で』
「……?」
『つまりお前は、イッてしまったのです・・・快楽の彼方へと、ね……』

・・・イッてしまった、ですって!?

今あたしを駆け抜けた爆発的な感覚、あれが?

ファッション詩のエッチなコラムや、ネットでコッソリ見たり、女の子同士でヒソヒソ、ウワサに聞いたりしたことは、あったけれど。

じゃあ、あれが"イク"っていうコトなの?

あこがれてるっていうか、スキな人くらいは居るけれど、お付き合いとかしたこともないし。
ほかの女の子たちの、彼氏とのそういう時の体験談を聞かされても、いつもなんだか別世界のハナシみたいに思ってたけれど。

まさかこんな風に、自分がそうなるなんて、思ってもみなかった。

まだ、お股の奥がしびれてる。
あたし、イッっちゃったんだ……。

まともに考えることもできなくなるくらい、アタマのなかにクリームみたいな霧がかかっていきます。

【フッフッフッフッフ・・・】
まだぼんやりしてるあたしを見上げて、
【・・・いかがかなピュアドルチェ?……はじめてのオーガズムの味は?】
黒デコチンが頭を持ち上げました。

「い、です……」

【ンん?・・・なんだ、もっと我に聴こえるよう、大きな声で言ってみよ】

「きもち、いい、です……」
まるで別の誰かにあやつられたように、あたしの口が動いてる気がしました。
「とっても、気持ちいいです……」
もしかしてもう、あたしも女王と同じに黒デコチンのしもべになっちゃったのかなあ?

【もっと、気持ち良くなりたいか?・・・・・・ドルチェ?】

「……は、ハイ」
コレって、やっぱりさっきのビヤクのキキメなのかなあ。
言葉が勝手に、スラスラと、
「なりたいです……気持ちよく、なりたいです」
ブロック塀にはりつけられたまま、おねだりするように、エッチなおツユとオシッコに濡れた腰をグイグイ突き出して、あたし、しゃべっていました。

「もっと、もっと……気持ち良くしてください・・・お願いします、もっと……もっと」
いつものあたしだったらゼッタイ、恥ずかしくて言えないような、イヤらしい言葉を。

【よくぞ申した・・・ではお前のその願い、我が叶えてやろう】
黒デコチンこと、魔王ディヴァインキングの言葉を合図にして、
ガシャン。
と、今までビクともしなかった、両手足をつかまえていた鉄の輪が、アッサリ外れてしまいました。

ドシャッ。

自分の尿臭がただよう雪の路上に、あたし、お尻を突いてしゃがみ込みました。

【良し・・・ではそのまま、犬のように四つ足で、むこうを向け】
黒デコチンに命じられて、オシッコ混じりの雪をこびりつかせたハダカのお尻を、ノロノロと相手に向けたのです。

【ヒザを立てるな・・・脚を伸ばしてちゃんと尻を上げろ】

快感と、媚薬にむしばまれたアタマであたし、素直にその言葉にしたがいました。
体育の授業のとき、準備運動で、立位前屈をするようなポーズです。

冷たい北風が、お尻の上に降り積もってくる綿雪を散らすように吹き抜けました。
さっき舐められたお尻の穴も、もうひとつのトコロももう、丸見えになってるハズです。

不思議とあたし、恥ずかしさを感じませんでした。

(あ・・・?)

ブロック塀のほうを向いて、両手を地べたに突いたあたしの目の前に、お届け物のケーキの箱が。
オシッコ混じりの雪といっしょに踏まれてつぶれてしまっていました。

まるで、正義の心を踏みにじられたピュアドルチェ、あたし自身のようです。

このままあたし、このケーキと同じように、汚されてしまうんだわ。
みじめな、奴隷のように。

女王にお尻をわしづかみにされて、黒デコチンがその中央にあてがわれるのがわかりました。

【ではゆくぞ、ドルチェ】

お尻を押された重みを支えきれずに、あたしの顔が、地面に転がった哀れなケーキの箱に押し付けられます。

ハイヒールの靴跡がくっきり残るひしゃげた箱から、スポンジごとちぎれたクリームまみれのケーキの断片といっしょに、首が折れた小さなサンタさんが、微笑みながらあたしを見上げていたのでした。

もうダメ。
本当に、ダメ。

まほうのパティシエ、ピュアドルチェ。
いよいよ、おしまいです。


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