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真っ赤なリース
【スポーツ 官能小説】

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第5章 救いの手-1

容疑者、人質共に死亡と言うショッキングな事件は当然世間では大騒ぎになった。テレビのワイドショーでは連日のように取り上げられ、週刊誌では一面を飾られ大々的に報道されていた。それまで一般的にはあまり認知されていなかったキャバ嬢狩りと言う犯罪も広く認知され、一連の強姦強盗殺人事件が澤田による犯行であった事は当然の事ながら報道されている。しかしそれより問題視されているのが警察の捜査中、しかも目の前での人質殺害と発砲による容疑者殺害と言う朱音の捜査であった。人質であった美弥妃の死亡は犯人を刺激した事によるものではないのか、犯人を射殺した事は過剰防衛なのではないのか、連日のようにここぞとばかりに出てくるどこの誰だか分からないゲストが偉そうに警察の捜査方針、方法に疑問を投げかけている中、朱音はショック状態のまま2日間取り調べを受けていた。

朱音は憔悴しきっていた。頭にはあの真っ赤な光景がへばりつき離れなかった。あれから全然寝れない。寝ようと言う意識すら霞んでいた。取り調べを担当した刑事もつくのは溜息ばかりである。しかし心の中ではザマァ見ろ…、そう思い笑っていた。

しかしながらまるで言葉を失ってしまったかのような朱音に担当刑事は苛つきを覚えてくる。無駄な時間だけが過ぎていく状況にシビレを切らし部署に戻り怒りをぶちまけている様子を見て島田が動く。島田も一刑事だ。なるべく負わされる責任はない方がいい。元々は自分の指示に反して朱音が勝手に起こしてしまった事件だ。今まで女にデカい顔をされるのは嫌だが、しかしどちらかと言えば問題も起こさず優秀であった朱音を部下として守って来た所はあるが、今回ばかりは庇い切れない、下手をすれば自分にまで厳罰が下されるであろうこの状況に、正直なところ朱音とはあまり関わりたくなかった。しかし上司として知らぬふりをする訳にもいかない。都合の悪くなると部下を平気で見捨てる人間だと思われてしまうのもマズい。島田は仕方なくと言う表現が一番当てはまる気持ちで朱音から少しでも事情を聞き出せればと思い取り調べに当たったのであった。


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