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《夏休みは始まった》
【鬼畜 官能小説】

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〈略奪の雨音〉-5

(に…逃げて奈々未ッ!?に、逃げてお願いぃッ!!)


吊り緊縛を施された真夏に、眼前で集団に襲われている奈々未を助ける術はない。
両手首を閂に縛られた奈々未は、その余り縄を和卓の裏側に廻されて立ち上がれなくされてしまい、それでも諦めずに抵抗する両の足は、ガッチリと掴まれて縄の拘束に曝される……。


「いッ!?嫌あッ!?こ…んなあッ!!」

(そんな…ッ!?な、奈々未が…奈々未が…ッ!!)


既に真夏は奈々未を直視出来なかった……専用ベッドの上に仰向けにされた奈々未は、これ以上に無防備な姿があろうかと思うくらいに無様を曝していた……。


[変型・蛙解剖縛り]


その名が示す通り、解剖される蛙に姿が酷似している緊縛である。

真夏と同じく両手は後頭部に廻され、腋や胸元はガラ空きである。
膝上に廻された縄は上半身側の和卓の脚に結ばれ、足首に廻された縄は下半身側の脚に結ばれる。
この互いに引き合う縄のおかげで女体はズレたりせず、激しい責めを加えるのを妨げたりしない。
しかも奈々未の尻の下には枕が押し込まれており、開けっ放しな股間は直ぐ傍に吊られている真夏に向けられている。

変型とついたのは胸肉を絞る縄が無いのと、詰め物の枕があるからで、縄の使用量の少なさや、縄以外の拘束具を使うのを邪道と貶す者がいるからである……。



『なんかアレだな?実際に縛ってみると“ドギツい”くらいエロいな』

『ヒヒッ…パンティの中でオマンコ「くぱあッ…」てしてんだろうなあ〜?ヒッヒッヒ!』

「あ…や…だあ…ッ…だ…誰か…ッ!」


男達が取り囲んでいる和卓の上で、下着だけの姿で腕を上げて股を開いている。
これだけでも羞恥は相当なものだろうし、恐怖心も凄まじいものがあろう。


『俺達はこの部屋の中をずーっと観てたんだぜぇ?あの天井に仕掛けたカメラからなあ?』

「………!!!!」


見上げた先に、確かにカメラが備え付けられていた……あれはこの男達が付けたのではない……どう考えても旅館のスタッフが付けた物……つまり中原や女将は……二人の表情は戦慄に硬直し、曾てないほどの鼓動の爆発に全身は震えた……。



『「奈々未だけが私の特別」とか「恋か愛か分かんないけど大好き」とか寝言フカシやがって……』

「む…むぐッ!?」

『テメエの顔がどんななのか分かってて告ったのかよ?こんなイイ女をレズの世界に引き込もうなんてフザケんなよクソブス!』


あの時に勇気を振り絞ったのは、こんな奴らに笑われて罵倒される為なんかじゃない……自分の精一杯の告白に応えてくれた奈々未の想いは、決して不純なものではない……真夏は奈々未との間に生まれた《小さな宝物》を愚弄する言葉に怒りを覚え、涙が溢れるのも構わず睨みつけた……。



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