衝動-1
「副会長・・・あなた・・・男でも出来たの?」
ハーブティをゆっくりと口に運びながら、裏生徒会会長 栗原万里は冷ややかに副会長 白木芽衣子を見つめていた。
「・・・な、何をおっしゃってるんですか!私が男などという汚らわしいものを・・・」
「だったら構わないけれど・・・ただあなた、最近変よ。」
弁明しようとする芽衣子の言葉を遮りながら、万里は最近の芽衣子の様子がおかしいことを問いただした。授業中、まるで熱に浮かれたようにぼうっと窓の外を見ているかと思うと、突然授業を抜け出してトイレに引きこもったり。かと思えば男子生徒に対する折檻が常軌を逸するほど激しくなったり・・・。
「・・・少し疲れてるんだと思います、会長。問題ありません。」
「新理事長の動きも含めて今は大切な時期です。忘れないで。」
歩き去っていく万里を見送りながら、芽衣子はほっと胸を撫で下ろした。すると、安心したと同時にまたあの感覚が芽衣子の下腹部の奥を苛み始めた。
(・・・ああ、また来る・・・何なのよこれ・・・)
胸の動悸が激しくなり、芽衣子はたまらずそトイレに向かって走り出していた。
個室トイレに誰もいないことを確かめ、中に入って鍵をかけると芽衣子は便座の上に座り込み、そのまましばらく呼吸を整えようとした。
しかし・・・
(・・・ああ、だめ・・・だめッ・・・)
自分の意思とは関係なく、指が勝手に自分の乳首とパンティの奥を探ってゆく。
芽衣子の口から、せつなげな甘い吐息が洩れはじめる。
気がつくとまた、新理事長 西田のことを想像していた。
小柄でいやらしい好色な猿を思わせるあの顔つき。
芽衣子のからだを這う、西田のあの粘りつくような視線。
(もしこの指が、あのスケベオヤジのものだったら・・・)
パンティの奥から一気に蜜があふれ出すのを止められない。
西田に肩を抱き寄せられた時の、あの熱っぽい囁きが耳元で聞こえるようだった。
・・・あんたが好きなんや、欲しいんや・・・
芽衣子は自分の口を塞ぎながら二度三度とからだを震わせ、昇りつめていった。