全国大会へ-1
1日休んで、学校へ行った。
昼休みに顧問に呼ばれた。
職員室に行くと吉見と仲のいい先生達が集まってきた、「ようやったな、近畿大会出場
おめでとう。」
パチパチと拍手をしてくれた。
少し照れくさい。
「吉見、疲れは取れたか、お疲れさん。」
「はい、ほんとに、出しきったんで、1日寝てました。今日はスッキリしてます。」
「それでだな、昨日、早速、3校、大学から特待生の誘いがあったけど、3校とも陸上の名門校だ、どうする。」
「先生、俺の体格で、どこまで、出来ると思います?」
「うん、お前は体重も軽いし身長も1m75では 長距離ならいけると思う、箱根目指してもいんじゃないか、お前のスピードが長距離に活かせる時代が来るかもしれん。」
「先生20kmはきついなぁ。」
「まあ、それは俺の希望だ、自分でよく考えろ。」
「はい、わかりました、失礼します。」
この展開は考えて無かった、大学で4年間陸上競技できるかといえばあまり自信はない。
まだ近畿大会まで1ヶ月ある、それまでのトレーニング計画をたてることにした。
それが終わってから考えてもいいだろう。
3年生は自由に練習をしている、主将は2年生がしているが、まだたよりなさげだ。
今日はジョギングだけして帰る事にした。
駅のホームで電車を待ってると。
「吉見君、今日は早いね。」
知恵だ、ニコニコ笑ってる。
「おう、久しぶり、元気そうだな。」
「今日は麻理子と会わないの。」
「約束はしてないけどね。」
「あの子、最近ウキウキだもんね、吉見君と付き合うようになって、ツンとしたところがなくなって。話安くなったわ。」
「そうだな、いかにも、お嬢様だったからな。」
「久実ちゃんの事はもういいの?」
「ああ、俺は好きだったけど、結局、縁がなかったな。」
「今も待ってるみたいだよ。」
「彼氏が出来たって。」
「それ、男が勝手に言ってるみたいよ。」
「どっちみち、麻理子がいるから、もう忘れる事にしたよ、それより、お前はどうなんだよ。」
「私は吉見君一筋なのに、麻理子に持っていかれちゃった。」
「調子良い事、言ってんじゃないよ、彼氏がいるんだろ。」
「もう別れたわ、サイテーな奴。」
「ハハハ男を見る目がないのかな。」
「吉見君、美容師になるんでしょ。」
「おう。あ 電車だ、ああ、それも迷ってる。」
二人は隣り合わせで座った。
膝と膝をわざと触れさせている。
「ねえ、麻理子と別れて、私と付き合わない?」
知恵も麻理子とはタイプは違うが美少女だ、胸は大きそうだ、制服の上からでも分かる。
「俺ね、美容師なら、名古屋、大学なら東京なんだよ、今から付き合ったって、3,4ヶ月だよ。」
「麻理子は、どうするって。」
「何処でも、ついていくって。」
「ベタ惚れだね、結婚するの。」
「それは、無いだろう、分からないけど。」
「ならさぁ、私と付き合ってよ、特典があるよ。」
「どんな?」
「エッチ、出来るよ。」
「え、そうなの?ってそれは、特典とは言わない、基本だよ、付き合ったらやっちゃうよ、付き合ってなくても、やっちゃうのに。」
「わたし、いいからだしてるよ。」
「いいね、チャンスがあったらたのむよ。」
知恵が不思議そうな顔で孝太郎を見ている。
「吉見くんなの?」
「じゃぁ誰なんだよ。あ、着いた、降りよ。」改札を出ると、麻理子が立っていた。駆け寄ってきて、腕に絡み付く、仕草が可愛い。
「お帰りなさい、早かったね、もっと遅くなると思ってたよ、知恵と一緒だったの。チエー!バイバイ。」
「ああ、ホームで話し掛けられたよ。」
「あいつ、誘わなかった、エッチしよ、とか言って、孝太郎の事ねらってたみたいだから。」
「言ってたよ、麻理子の言う通りだよ。」
「あの、やりまん、人の彼氏にばかりそうやって、横取りするんだよ、孝太郎、あんなのとしたら、病気うつされるよ。」
「中学の同級生だぜ、知ってるよ。でも好きな奴もいたなぁ。」
「派手だからね。目立つのは確かだわ。」
「もう、あいつの話はいいや、ろくな事ないから。」
「そうなの?まぁいいや、私の部屋に行く?行こうよ。」
「うん。」
肌が馴染んできて、セックスが楽しい時期なのだろう、お互いの弱点も分かってきた。
「麻理子、愛してるよ、最近考えるんだ、これから先、麻理子以上の女は出て来ないかな、とか。」
「私は孝太郎しかいないよ。」
「そんな事言って、30年経って腹が出て頭がハゲてもそれが言えるか?いくら好きでも永遠なんて無いんだよ。」
「どうして、そんな事言うの?」
「麻理子の事が好き過ぎて、飽きたりする日が来るのが怖いんだよ。考えてもしかたないんだけどね。」
「飽きるまで抱いて!」
「バカー、飽きるわけ無いだろ、俺のラッキーガールだよ。」
唇を重ねた。
近畿選手権まで1週間だウェイトトレーニングも取り入れて筋力も上がった。この1週間でスピードに馴染ますように筋肉を作って行く。
しっかり休みながら加速走を繰り返す。
競技場で練習するのは工業高校の男子と商業高校の女子も年間契約している。
他校から見ると一見吉見たちの練習は遊んでるように見えるが、他校の部員なら、着いては来れないぐらいハードなプログラムだ。
キツい練習を楽しめる工夫をしている。
商業高校の二年生に声をかけられた。
「先輩、近畿大会、がんばって下さい、その後の市民大会が引退試合ですよね。」
「ああ、リレーだけエントリーしてるな。」
「もう、その後は練習は来ないですよね。」
「そうだな、駅伝の応援ぐらいは行くけど、練習はもういいか。すぐに卒業だ。」
「この後で、少しお話したいですがいいですか?」