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エクスタシーの匂い
【SF 官能小説】

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全国大会へ-6

「まあ、おかんに言うとくわ。」
吉見の家は老舗のお好み焼きをしている、父親は小学生の時に事故で死んだ。
店は流行っているので、金には困って無い。
大学にも行きたいなら行けばと言う感じだ。
月曜日、職員室に呼ばれた、顧問がニコニコ笑ってる。
「全国大会、出場や、やったな、また特待の話が来てるけど、全国終わるまで待っとけ、結果しだいでは、まだ決めんほうがええやろ。」
「はい、進学、することに決めました、美容室には断りいれます。」
「そうか、それがいいと思う。」
授業が終わって競技場に向かう。3年生は出て来てない、3日後が引退試合の市民大会だ。吉見は軽い練習と後輩たちに練習のしかたを指導した。
他校の後輩たちからも祝福された。記録の伸ばしかたも聞かれた。吉見の優しい性格が他校の後輩たちに好かれてる。
シャワーを浴びて、ロッカーを出て、ベンチに座って、ぼんやり競技場の練習風景を見ていた。
彩月が声を掛けてきた。他校の女子部員が怪訝そうに見ている。
「今日は、もう上がるんですか。」
「ああ、疲れが抜けてないからな。」
競技場の玄関を出た所で
女の子の集団に囲まれた。手紙とか紙袋を渡された。何事か解らなかった。
遠くから見ていた麻理子が寄ってきた。
「モテモテだね、嬉しい?」
「うん?どういう事だろう。」
「これ、みてないの?」
女性週刊紙に次世代のエース、今延び盛りのイケメンアスリートの特集で吉見孝太郎の写真が1ページ丸々掲載されていた。
「これ今日発売よ、私が週刊紙に売り込んだの。まさかこんな事になるとは思わなかったわ。」

「俺より強い奴いっぱいいるのに。」
「何言ってるの高校生ではトツプクラスよ それにイケメンっていうのがね。たぶん特集にピッタリ合ったのね。」
「これで大学行ったら、いじめられるやん。」
「心配無いよ、チューと半端はいじめられるの、孝太郎は突き抜けてるから、大丈夫。」
「そうかなぁ。」
「私の家に行こう、ね。」
「うん。」
昨日の朝したのに、今日もしたいみたいだ、麻理子の性欲は底無しか。

「ただいまー。」
「こうちゃん、あんた、えらいことやで。」
「週刊紙だろ。」
「知ってたの、なんやおもろない、でもな近所のオバハンら大騒ぎや、吉見はんとこの次男が週刊紙載っとるゆうて。」
「載っても金儲けならんやろ。」
「あほか、今日、いつもの倍客来たわ、商売繁盛や、ええで、もっとがんばり。」
麻理子が来た時と言葉がちがう。「疲れた、飯食って寝るわ。」
麻理子には浮気防止とか言って、3回も射精させられた。
チンコがヒリヒリする。
明日はセックスは休ませてもらおう。

「いってきまーす。」
駅に向かって歩きだす、いままで無視していた近所のオバハンがあいさつする、「おはよう。」おもしろい。駅でも注目度が半端じゃないが誰も話し掛けてはこない。
何時もの車輌に乗る、正面は綺麗なお姉さんだ。よく会う人だ、笑い掛けてくる、笑顔で返す、声を出さずに、口の形だけで話し掛けてくる。よ、し、み、く、ん、?は、い、。
お、は、な、し、し、た、い、な、。は、い、。駅で降りると吉見の手を取って柱の陰に連れていった、強引だ。「吉見孝太郎君だよね、何時も電車でみてる子が週刊紙載っててビックリしたわ、時間無いよね、今日は練習何時に終わるの?」
「いつも6時の電車です。」
「改札口で5時半に待ってるから来てくれる?」
「はい。」
「いい子ね、絶対よ。」
これは、なんだ、バレたら、麻理子に叱られる、ああどうしよう。
ま、いいや、とにかく学校行こう。
学校もちょっとした騒ぎになっていた、取材の電話がけっこう鳴ってたみたいだ。
男同士でもやっかみもあるが、卒業前だし自分は自分だ、表だっては何もない、騒ぎが通りすぎるのを待つだけだ。
競技場で筋力トレーニングとランニングスピードを上げるトレーニングを交互にして全国大会に向けた練習をはじめた。
リレーメンバーも明日が引退試合だ、少しだけ練習して帰った。
麻理子は今日はこないが、明日の試合は来るらしい、まるでマネージャーだ。練習が終わって駅に着くと、朝の綺麗なお姉さんが待っていた。
「待ったわよ、5分フフフ、」
「すみません。」
「お腹空いたでしよ、何が食べたい、おごったげるわ。」
「え、良いんですか、ほんとに?じゃぁ、パスタとピザで。」
「うん、いいよ、行こう。」
腕を組んできた。肘が胸に当たってプワァンとして心地いい。
「あのう、どういう事なのか、わからないんですけど。」
「ああ、私ね架純っていうの、いつも電車で会う男の子が週刊紙に載って、興味 が有ったから。」
「えー、すげー、週刊紙すごい、初めて得した気分です。」
「ここよ、好きなの注文して良いよ。」
「架純さんはなに注文するんですか。」
「んーそうねージェノベーゼかな、」
「ぼくね、生ハムのシーザーサラダとファルマッジで良いですけど赤のデキャンタも良いですか、」
「あなた未成年でしょ。」
「だから架純さんが飲むと言うことで。」
「んーまあいいわ。」
オーダーをしてくれた、こちらに来てから初めての酒だ、嬉しい!
少し周りを気にしながらワインを飲むと、旨い。
この時代の孝太郎には麻理子ぐらいがいいが、46才の孝太郎にすると架純ちゃんぐらいがちょうどいい、22〜24才ぐらいか。
料理が来た、孝太郎はファルマッジの上に野菜をドバッとかけてピザで野菜を挟んでパクパク食べながらワインをゴクゴク飲んだ、ひさしぶりの大人飯だ。


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