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エクスタシーの匂い
【SF 官能小説】

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高校生からやり直し?-1

あまりの暑さに目を覚ました。寝汗をかいている。
何か違和感がある、部屋の景色が違う、よく見ると、建て直す前の自分の部屋だ。
ベットも机も、高校時代のままだ、あわてて学生鞄の中を見ると、3年生の時のだ。
懐かしいが、頭の中は??ばかりだ。
鏡を見ると、高校時代の自分がいる。
ヘアースタイルからすると、夏休みの間だ、吉見は高校3年生の夏休みに入ってすぐにパーマをかけたから、はっきり覚えていた。
「孝太郎、起きてる、あんた、今日から合宿でしょう、時間、大丈夫?」
母親の声だ。
「ああ、わかってる。」思わず返事をしてしまった。
俺は、今18才に戻っている、必死で高校3年当時を思い出している、今日から陸上部の合宿か、3年生はインターハイが終わって、国体予選や選手権の試合を残しているが長距離は駅伝があるし、短距離陣も大学でも競技を続けるので、練習は、卒業まで終わらない。
合宿用のバッグを見ると、準備はしてるようだ。ガバッと起きて、洗面所に行く、身体が軽い、現役の時はこんなに体力が有ったんだ。顔を洗って歯を磨く、頭を濡らしてパーマのウェーブを出した、母親のヘアクリームを毛先に少量付けておちつかせた。
ジャージを履いて、ティシャツを着る。
お爺ちゃんが朝ごはんの用意をしてくれてる。死んだお爺ちゃんが目の前にいる、懐かしくて泣きそうになった。
「ありがとう、いただきまーす。」
「孝太郎、どうした、なんかおかしいぞ。」
「べつに、何時もといっしょだよ。」
卵かけご飯と味噌汁を掻き込んだ。
「お金は、持ってるか?」
財布の中は1000円札が一枚だ、「これで足りるかなぁ。」
「これを、持ってけ。」
お爺ちゃんが5000円くれた、合宿の費用は前もって払ってるので、飲み物代ぐらいだが、もらっておいた。
「行ってらっしゃい、頑張ってね。」
母親が見送りに玄関まで来た、若い、当たり前だ、吉見と同い年だ。おかしな感じだ。
駅までの景色も懐かしい、近所のおばちゃんもみんな若い。この4年先にはみんな大事な顧客になるから、挨拶はちゃんとしておかないと。
「お早うございます。」
「あ、こうちゃん、おはよう。」
「あんた、なんか、変わったね。」
「えー、いっしょですよ。」
しらばっくれて、駅まで、急いだ。
学校に着くと、ほぼ部員全員揃ってた。
懐かしい顔ぶれだ、男子校なので全員男だ、この頃になると、自分がタイムスリップしたことを、受け入れて、みんなになじむのに、必死になっていた。
たぶんあのインドのオイルが原因だろう、(アサニナッタラワカクナテルヨ)って言ってたもんなぁ。
初日の練習は軽い感じで終わった、身体がとんでもなく軽い。
吉見は400mを専門にしている、これから選手権に向けて、調整をしていく、徐々に思い出してきた、その時の試合運びを20年以上経っても悔やんでいた、もう1回チャレンジできる、今度は出しきろう、社会人も一緒なので、決勝は無理だろが、悔いのない試合がしたかった。部員皆から、何かオカシイと言われたが、本当の事は言えるはずもない。
3日間の合宿が終わって、家に帰ってシャワーを浴びて、タオルで頭を拭きながら台所で水を飲んでいると。
「こうちゃん、お客さんよ、お母さんの同級生の井上さんと娘さんの、えーと、麻理子ちゃんよ。」
孝太郎は下はジャージだが、上半身は裸に首にタオルをかけてる。
「こんにちは。」
当時の孝太郎は人見知りで、とくに麻理子のような美少女には全く話ができなかった、が今は違う、見た目は18才だが中身は46才だ。
「すみません、ちょと、上、着てきます。」
母親は、一瞬、ん、とかしげたが、麻理子に話しかけた。
「麻理子ちゃんもたしか、高校3年生よね。」
「はい、吉見君と同級生です。」
「うちの子、知ってるの。」
「私の学校、女子校なんです、中学校で同級生だった子から、吉見君の事、聞いてました。」
「なんて、どんな風に、ごめんね、うふふ。」
好奇心丸出しできいている。
「かっこよくて、モテモテみたいですよ、他校の下級生も憧れてる子沢山いるみたい。」
「本人に、言ったらダメよ、すぐ図に乗るから、ウフフ。」
「もう、とっくに、図にのってるよ。」
「聞いてたの。こうちゃん、あんた変わったね。」
「なにが?」
「なんとなく、違うというか。」
「大人に、なっていくんだよ。」
「まあね、そうだわね。」
「それより、麻理子さんですよね、あっちで話さない、大人と話しても面白くないでしょ。いいですか?」
母親と麻理子の父親はあっけにとられてる。
「すごいね、なれてる感じが、びっくりよ。」
「けっこう、ドキドキだよ、自分でも驚いたよ。あ、どうぞ。」
氷を入れたグラスにオレンジジュースをいれた。
「ありがとう、孝太郎でいい?」
「いいよ、ウフフうれしい。」
「なに、それ、調子いいね、」
「麻理子さまは可愛いからもてるよね。」
「麻理子さまってなによ。」
「お兄さんの大学の同級生とか、手玉にとってるらしいね。」
「そんな話誰から聞いたの。」
「高校生なら、みんな知ってるよ。」
孝太郎は全部知っている、当たり前だ、以前の孝太郎なら二人で話す事はなかった、ここから歴史がかわってゆく。
「俺の話しは誰に聞いたの、ちょっと待って、同級生だろ、知恵ちゃんか。」
「そうだよ。自慢してたよ、親しいらしいね。」
「だろ。だと思ったよ。親しくねーし。話しはするけどね。」
「中学時代はモテモテだったみたいだね。」
「ああ、それで男子校に行ったんだよ。」
「え〜どうして?」
「かっこ付けてるわけじゃ無いけど、じゃまくさかったんだよ、女が。」
「すごかったらしいね、ケンカとかもあったみたいね。」


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