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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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いつだって-9

「だから分かってるてばぁー。」
「僕、そんなキャラじゃないからねー。」
「うふふ勿論、まっそれはそれで面白かったけどね、優しい顔して実は腹黒いっていう設定で。」
「何だよ!設定って。」

何だか色々あったな下校してから。

窓はもうすっかり暗くなり、後は寝るだけだ。

それから私は風馬君との電話を切り、ベットに一日の疲れを取ろうと背を叩きつける。

にしても、良かったなぁー二人が仲直りして。

私は風馬君と一条君とのやり取りを思い返す。

慌てながらも彼を諭す風馬君、「悩んだらいつでも相談してよ、親友なんだからさ」……はぁー❤なんてお優しい言葉。思わずキュンときちゃった。

けど一条君を見てると、まぁあの土下座は良いとしてやっぱり真っ先に思い浮かぶのは。

……。

ぴたっと思考を止め、店主代理である母が店のシャッターを閉め忘れたみたいな事を言ってたの思い出し、階段を降り一階へ向かう。

母も経営の事も農家の事も無知ながら必死でやっていて。

「あ…。」

売り場へと降りるとそこに家へ入ろうとする友人の姿が。

「巴、ちゃん……。」

私と顔を合わせるやいなや彼女は何を口にするでもなくツカツカと私の方へ歩みより。」

「っ!!」
「……んなさい!」

ガシッと私を抱きしめすすり泣くような声を出す。

「私を、……許して。」
「……。」

あの喧嘩で思い悩んだのは彼女も一緒だった、当然と言えば当然だったのだが。

小刻みに震える彼女の背中にそっと手を添えて。

「…当たり前じゃない、私たち親友同士なんだから。」
「っ!!」
「ねっ巴ちゃん!」
「……ありがとう。」

喧嘩するほど仲が良い、それはこういう事なのだろう。

次回、72話に続く。



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