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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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いつだって-5

「いやー迫力あったな、口コミで評判のアクション映画。」

この日はバイトも休みで私は黒崎の誘いで映画に行った、「記念すべき初デート」ってやたら嬉しそうで。

「そうねー、3Dとかちょっとやばすぎ。」
「……。」

私をよく知る彼がいつもよりテンションが低い私に気づき。

「胸、張りなよ。」
「えっ。」
「お前はもう俺のモノなんだ、過去は振り返らない方がいい。」
「黒崎…。」

蓮の事はもう忘れろ、そう言ってるのね。

「おいおい、隼人…だろ?恋人同士何だし。」
「んー。」

今でも信じられない、私が彼を捨て、別の男に乗り換える、何て。

私たちは近くのカフェへ着き、適当に注文し席に腰を下ろす。

「まぁ無理に今すぐとは言わない、分かってる誰だってそう簡単に切り替えられる事じゃないからな、きっとそいつとの想い出も一杯あったんだろう。」
「隼人…。」

すると向こうから注文した珈琲が出来た事を知らせる店員の声を聞き。

「何か気分が沈んじまったな、取ってくる!」

その店員の呼ぶ声でハッとしたように気持ちを切り替え、そう私に言葉を添えながら飲み物を取りに席を立つ。

「…これで、本当にいいのかな。」

分かってる、自分でも滅茶苦茶なんだって事は。

蓮との事、それに伴う若葉との事。

じゃ、せいぜいあの薄汚いストーカー野郎と宜しくやってな!

自分でも信じられないくらいあの時の自分はどうかしてた。

大好きな親友にあんな酷い罵声を浴びさせるなんて、そりゃー若葉なら分かってくれるとと思ったのに、と半ば裏切られたような気持ちはあったけど。

「若葉…。」

私は何気にスマホを取り出す、すると…。

「あ。」

まるで人の気持ちを覗いていたかの如く着信履歴が。その時刻は丁度映画の上映時間、彼に促されてマナーとして電源を切っていた。

その相手は案の定私が今思っている相手。



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