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恋のMEMORY
【少年/少女 恋愛小説】

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いつだって-6

「居ないと思ったらやっぱりここだったのか。」

一条君の家に行っても彼は出掛けたって言うから何処へいったのか軽く頭で考えるとぱっと浮かんだのがこのいつものラーメン店。

「風馬君、一条君の所に!?」

あの後僕は彼に会いに行くと決めた、伊吹さんが今はダメそうで若葉ちゃんも落ち込み僕に出来る事は他にないか考え、そして辿り着いた結果がこれだ。

お客はせいぜい2、3人くらいだ。そしてカウンター席に彼はポツンと麺を啜っていた。

案の定僕の存在を知るとすぐさま食事に無意味までに集中した、まるで大きな透明な壁でも立てるかの如く。

「……。」

僕も負けじとそんな彼にお構いなく隣の席に座り。

「塩ラーメン一つ。」

友人が近くに座ってるのに完全に無視されつつも客を装い注文する。

「そうだね、巴ちゃんは無理でも一条君なら…。」

バイトはしてないし、部活って可能性もあったけど今日は早めに終わったそうで。

「けど、あんまムチャしないでよ、もしも彼の家にパトカーや救急車でも止まったら。」

確かに喧嘩して殴りっ子もしたけど、少しオーバーかと。

でもやれる事はやっておきたい、こういう事って時間が蓄積される程悪化するもの、若葉ちゃんも自分のせいで僕と彼まで仲が悪くなった事を機にしているみたいだし、何より僕自身彼とじゃれ合えないのは嫌だから。

そんな想いで態々あとをつけて来た事などつゆ知らず麺を啜る彼。

「……。」

さっきより食べるペースが速まっているような、まさか早く食べ終えてこの場を立ち去ろうと…。

すると僕が注文したラーメンが出され。

「あ、あのさっ!」
「……。」

言わなきゃ!

「この前は、ゴメン!」

力一杯謝罪する。それでも呑気にレンゲでスープをすくう。

でも、何がゴメンなのだろうか、僕があの時彼に言った事は正論であって僕にそんな落ち度はないと思う、でもその結果彼を怒らせ不快を与えてしまった。

「………。」

聞いているのか?いや、一応耳には入ってるとは思うが。

「仲直りしようよ!」

思わず飛び出た本音。

「若葉ちゃんが伊吹さんとよりを戻さないとぽっかり穴が開くように僕だって、君が僕の友人でないと寂しいんだ!」

下らない冗談を言われて、それでも僕が悩んだ時は黙って傍に居てくれて、それでいて気を遣わせまいといつも通りのおちゃらけた自分で居てくれて。

「………。」

それでも彼は頑なに口を聞いてくれない。

「一条君…。」

僕だってそんなに往生際悪くない、早々に丼ぶりを軽くした所で席を立ち彼に背を向ける
どうやら彼も相当頑固なようだ。

諦めて店を後にする。はぁ若葉ちゃんにどう報告しようか。

「ううっ。」

力なく会計へ向かうと。

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんっっ!!」
「っ!?」

突如向こうからけたたましく響く太い泣き声。

「うわっ!」

するとその泣き声の主は間髪入れず猪のような勢いで僕に突進し、そして強く抱きしめてきた。

「わわっ、待って待って!会計が先っ!」
「ぐずっ、ひっく!」

やれやれ、客が少なくて良かった。


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