第2の犠牲者-10
マギーはなぜ佐川明子と小渕愛子が親友だと言う考え方が出来るのか釈然としていない表情を浮かべる華英に言った。
「さっきさぁ、エレベーターの中で私達、はたから見たら超仲が悪いって思われてもおかしくない勢いで言い合ってたよね?一緒に乗ってた人から見たらきっといつもあんな感じで喧嘩してんだろうなって感じで見てたもんね。でも私達、仲悪い??」
「あ…」
「そんな感じであの2人はきっと裏では仲がいいんじゃないかって。だいたい高校から大学まで一緒で、社会に出ても近くにいるし同じ世界にいるなんてさぁ、仲がいいって考えるのが普通でしょ?調べてけばきっとその証拠は出て来るはずよ?例えば佐川明子や小渕愛子の住んでるマンションの防犯カメラをチェックすれば出入りしてるのが映ってるかも知れないし、良く行くレストランとか行けば一緒に食事してた証拠あるかも知れないし。それで2人で結託して佐川明子が市長に当選した事に気付いた誰かが2人を処罰したと考えた方が色々と辻褄が合うんじゃない?」
「確かに…。」
「もしかしたら梶原に投票して追い出された所員らは佐川明子が市長になり市政を行なっていくのに邪魔な人材だったのかも知れないし、まだまだ調べなきゃならない事は多いわ。」
さすがだと思った。華英はマギーの洞察力と言うか、刑事としての視野の広さに。
「凄いねマギーって。オッパイ大きい女は馬鹿だって言うけど、マギーは違うみたいだね!」
「…、その定説通りの人もいるけどね。」
「はぁっ!?私!?わ、私だってマギーと同じ推理してたもん!」
「ハイハイそうですか♪」
「何よぅ…!」
ニヤニヤした目つきで見下すマギーにムカつく華英。マギーは余裕の笑みを浮かべる。
「じゃあまずは2人が大親友だったと言う仮説を証明しなきゃね。あとは梶原が選挙に負けた事を受け、梶原支持に回り辞めてしまった所員も洗わなきゃね。その中に犯人がいるかも知れないし。」
次々に事件の核心に迫って行くマギーに少し悔しくなり自分もそれらしい事を言わなきゃならない使命感にかられた華英も負けずに言った。
「あと佐川明子と関係を持った所員にも。」
「ん?どうして?」
「…さ、佐川明子は一体どんなエッチをして男達を惑わす事に成功したのかを掴む為に…。」
マギーはシラ〜っとした目で華英を見る。
「それ知って何の意味があるの?」
「…な、何かしら…。」
「…や、やっぱオッパイ大きい女は馬鹿なのかな♪」
「!?何よぉっ!ムカつく…!」
「アハハ!ま、どーでもいいからまずは2人の関係について調べるわよ?いいわね、巨乳ちゃん♪」
「!!しょうがないから調べるわよ!」
こんな華英が近くにいたからこそのひらめきだと思ったマギー。何はともあれ事件の糸口を掴み一気に捜査が動き出すのであった。