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狐の婿入り
【獣姦 官能小説】

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狐の婿入り-4

4.
 一年が経ち、又10月31日が巡ってきた。
「ねえ、お姉ちゃん、今年はもうハロウィンには行かないの?」
「行くわよ、心配しないでね」
「ワーイ、よかったあ」

 2匹の弟のほかに、生まれたばかりの赤子が増えていた。
 狐娘は赤子を背負い、二人の弟の手を引いて木橋を渡った。
 橋の影から、4人の後姿を見送る影があった。

 赤子を背に見守るうち、2人の弟達は去年にも増して沢山のお菓子を手に入れた。
「お姉ちゃん、こんなに貰ったよ。去年より沢山あるよ」
「来て良かったでしょう」
「でも帰り道が怖いよ」
「大丈夫、お姉ちゃんが付いているから、心配しないでね」

 木橋を渡って、木立が濃くなると、人影が前に立ちふさがった。
「お前に、話がある」
「分かっているわ、あなたは去年の狼男でしょう」
「そうだ、お前の背負っている子は、俺の子供じゃないのか?」
「そうよ、貴男と私の子よ」
「悪かった、許してくれ」
「許してくれって、あなたは私と子供から逃げる積りなの?」
「そんな積りはない、僕に出来ることがあればなんでもする」
「この子はもう、狐でも、狼でもない、人間なのよ。あなたはもう狼になるのを止めて、
この子の父親として、人間として生きていく気があるのか聞きたいの」
「分かった、お前が許してくれるなら、もう狼は止める」
「私ももう狐になるのを止めて、人間として生きていくことにするわ」
「そうしたら、俺たちは一緒に住めるのか?」
「その積りで言っているのよ。分かったら、この子を抱いて頂戴」

 赤子を抱いた元狼男と3人の姉弟は、新しい家族となって、暗い夜道を両親の待つ横穴を掘った家に向かう。
 暗い夜道も、もう怖くない。
 狐の婿入りには、雨は降らない。
(ごきげんよう)


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