朝-6
タクミは、
まだ突っ立っていた。
しばらくすると、
トイレからジャーっと水を流す
音が聞こえた。
寝ぼけ眼のちづるは、
ほんの少し
バツの悪そうな顔をしている。
タクミは自分の部屋から
脱衣所にいるちづるを見ている。
タクミの部屋に
戻ろうとするちづるは、
やっと、タクミに気がついた。
静かにタクミに向かい、呟く。
「、 、 おはよ 。 」
「 、、うん。 」
「 ?
どうしたの? 」
「 ぇ? ぁーー、、、、」
タクミはよそよそしく、
ベランダにつながる窓を眺めて言う。
「なんかぁ〜〜
珍しい鳥がいてさぁ。
これで、撮ろっかなー?
みたいな? 」
タクミがそう話していたが、
ちづるはゴソゴソと動いていた。
タクミのベッドの下は
引き出しになっていて、
そこにちづるは
自分の下着などを
収納させてもらっていた。
その引き出しを開けて
下着を取り出しながら言う。
「そっ かー。
鳥、 、、かぁ。
珍しかったの? 」
「 ぇ? 、、うん。 」
「そっか、、、。 」
ちづるは取り出した下着を持つと
立ち上がり、くるりと背を向けて
部屋から出ようとした。
タクミに、
声をかけられたくない雰囲気が
すぐさまタクミに伝わる。
タクミはもちろん声をかける。
「 パンツ? 変えんの?」
「、! んーー、、、うん 」
「、 、 、 、、、。」
「、 、 、、、 、。
寝汗かいたから 」
「 ぇ ? 」
ちづるは背を向けたまま、
そそくさと部屋から脱衣所に
向かうと、今度はきちんと
脱衣所のドアを閉めた。